発注者も手探りの竣工モデル
このプロジェクトでも、発注者から竣工BIMモデルの提出が求められている。将来、ファシリティー・マネジメント(FM)での活用も想定してのことだ。
「50mm以下の配管は竣工BIMモデルには求められていないが、機器などとの取り合いが必要な配管はすべて3Dでモデリングしている。設計監理者の立ち会いで竣工図面をチェックすることで、実物とBIMモデルが合致していることを確認している」(近藤氏)という。
シンガポールの大規模プロジェクトでは、このように施主が施工会社に対して竣工BIMモデルを求めるのは当たり前になっているが、本格的にBIMモデルを使ってFMを行う段階はこれからだ。今後、実務で使う属性情報の内容がさらに明確になっていくだろう。
大林組がシンガポールにおいて、様々なプロジェクトで積み重ねてきたBIM活用は、シンガポールの建築建設庁(BCA)にも高く評価されることとなった。そしてBCAが主催する2016年度 BIMアワードの会社部門で、大林組は最優秀のプラチナ賞を受賞することが決まった。