BIMモデルと数量計算の連動に挑戦中

 大林組ならではの取り組みとして、BIMモデルから鉄筋などの数量計算に生かすことにも挑戦中だ。専門工事会社が大林組に提出する数量や請求額を、元請けとしてチェックする意味合いもある。

 使用ソフトは、数量計算用の「Glodon Takeoff for Rebar」(以下、Glodon)だ。中国製のソフトだが、シンガポールで見積もりや積算によく使われている。BIMソフトよりも躯体などの3Dモデルが作りやすいのが特徴だ。

数量計算用ソフト「Glodon Takeoff for Rebar」の画面(資料:大林組)
数量計算用ソフト「Glodon Takeoff for Rebar」の画面(資料:大林組)
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 2015年には、設計事務所から受け取った2D図面を、大林組がGlodonを使って3Dモデル化し、数量計算を行えるところまできた。2016年にはBIMモデルをRevitのオリジナルファイルやIFC形式によってGlodonに読み込み、数量計算を行った結果を専門工事会社に提示できるようにすることを計画している。

 さらに2017年には、設計事務所が構造設計に使用した3DモデルをIFC形式で受け取り、それをGlodonで数量計算する、というチャレンジも考えている。

 「IFC形式を使うと、データが一部、脱落することもある。今後は数量計算に使えるように、BIMモデルのモデリングルールも決めていきたい」と近藤氏は語る。