内作、KOA本社での統括管理、ローカル社員主体のBIM
シンガポールで建築確認申請にBIMモデル提出が義務付けられるなど、BIM活用が広がってきたことに対応するため、KOAでは(1)内作、(2)KOA本社での統括管理、(3)ローカル社員主体の活用という3つの柱からなるBIM活用戦略を行ってきた。
同社のBIMグループは、統括するBIMマネジャーの下に、BIMモデルを取り扱い、調整の実務を担う複数のBIMコーディネーターがいる体制が一般的だ。
内作という点では、人材育成に力を入れており、約70人いる社内の図面スタッフのうち約40人がBIMソフトを使える。その教育訓練は、BCAが運営する建設訓練校、BCAアカデミーなどの外部機関を利用している。
本社での統括管理としては、入札段階で早くもBIMでベースとなるモデルを作成する体制を整えている点が特徴だ。本社のBIMグループがBIMモデルを管理し、情報共有を行う。
ローカル社員のBIM人材としての活用も徹底している。本社のBIMグループは、BIMマネジャーも含め現地や周辺国出身のローカル社員など、すべて日本人以外で構成されている。
BIMマネジャー | BIMコーディネーター | モデラー | 設備 | |
本社 | 1 | 2 | 2 | 0 |
工事事務所 | 2 | 8 | 13 | 11 |
合計 | 3 | 10 | 15 | 11 |
シンガポールの建設業界でBIMの活用が急速に広まるなか、KOAは“自前のBIM”にこだわり、ローカル社員で構成されるBIMグループを着実に育ててきた。その結果が、様々なプロジェクトでの成果に結びついているようだ。