大成建設広報室からの返答は肯定でも否定でもなく、「広告戦略に関わる内容につき、回答を控えさせていただきます」だった。

新国立競技場の好感度を高めるには

 建設会社が広告やプレスリリースで紹介する自社案件は、一般社会からも好感を抱かれているか、少なくとも目立つ悪評は出ていない施設が中心だ。新国立競技場はどうか。現時点ではやや微妙だと思われる。

新国立競技場の完成予想図。起工式で配布された映像から抜粋(資料:大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JV作成、JSC提供)
新国立競技場の完成予想図。起工式で配布された映像から抜粋(資料:大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JV作成、JSC提供)
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 設計者を選んだコンペの混乱はまだ記憶に新しい。巨額と批判を浴びた新国立競技場の建設費はその混乱の末に、一時期に比べればかなり減額されたわけだが、何しろ今は東京五輪全体の事業費を巡って世論が沸騰している。同競技場の世評がどうなるかは未知数と言わざるを得ないだろう。

都営大江戸線国立競技場駅の出口から見た新国立競技場の建設現場。12月6日に撮影(写真:日経コンストラクション)
都営大江戸線国立競技場駅の出口から見た新国立競技場の建設現場。12月6日に撮影(写真:日経コンストラクション)
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