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ケンセツ的視点

復興庁非推薦? 映画「彼女の人生は間違いじゃない」

2017/07/24

 日経コンストラクションの東日本大震災の報道では常磐自動車道や除染などを担当した。取材で訪ねた福島第一原子力発電所付近の被災地の印象は強烈で、取材が一段落しても「この地域と住民は今後どうなっていくのか」という思いが尾を引いた。

2013年10月に取材した常磐自動車道羽黒川橋(福島県双葉町)の建設現場。当時は未除染で、高い空間放射線量への対策として、筆者を含む記者団も白い防護服を着用した(写真:日経コンストラクション)

2013年3月に取材した除染廃棄物の仮置き場の1つ(福島県楢葉町)。除染後の同町では15年9月に町民に対する避難指示を解除した(写真:日経コンストラクション)

 『彼女の人生は間違いじゃない』は、そのような筆者にとって必見の映画の一つだった。福島県出身の廣木隆一監督が同県の被災地を主な舞台として制作し、フィクションではあるが「等身大の被災者を描いた」と評されている。

 福島第一原発の事故が起こった福島県は、復旧・復興のハードルが他県に比べてあまりに高い。常磐道の除染・復旧・整備は完了し、農地を含む各地の除染事業もそれなりに進捗しているが、効果には限界もある。しかも汚染の源だった原発事故の処理はまだ先が長い。

 このような状況下で復旧・復興を実感できる被災住民は果たしてどれくらいいるのだろう――。2015年3月に常磐道の全通について書いたコラムに「常磐道全通、その先は?」と疑問符付きのタイトルを付けたのは、そのような思いの表れでもあったかもしれない。

 テレビの情報番組などに登場する福島県の被災住民は、明るく真面目で前向きなタイプが多いように感じる。それを嘘とは思わないが、それが全てではあるまいと想像していた。

 『彼女の人生は間違いじゃない』には復興庁や地元自治体の職員が眉をひそめそうな被災者が登場する。もし同庁に震災に関する映画の推薦制度があったら、この映画は対象外に違いないと思った。

 *以下に『彼女の人生は間違いじゃない』の内容に関する記述が含まれています。

安藤 剛日経コンストラクション

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