国指定重要文化財の萬代橋を渡る新潟市のBRT(バス高速輸送システム)の連節バス。路線名は萬代橋ラインだ(写真:日経コンストラクション)
国指定重要文化財の萬代橋を渡る新潟市のBRT(バス高速輸送システム)の連節バス。路線名は萬代橋ラインだ(写真:日経コンストラクション)
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 5月下旬からBRT(バス高速輸送システム)やLRT(次世代型路面電車)の取材に取り組んでいる。どちらも近い将来の超高齢化社会に対応し得る新しい公共交通システムとして注目され、主に地方都市で導入の動きが盛んだ。

 ただ、こうした公共交通システムは今のところ、自家用車の利用に慣れた地元住民の支持を必ずしも得られていない。導入に熱心な自治体の首長は議会での基盤が強固でも、しばしば選挙で大苦戦を強いられる。公共事業を取材するうえで地元の民意は重視せざるを得ず、いろいろ考えさせられている。

 そんな日々のなかで週末に映画館に入り、山田洋次監督の『家族はつらいよ2』を見た。もちろん、週末くらいは仕事を忘れて気晴らしをするために見たのだ。

 しかし、主人公の平田周造(橋爪功)が「それは俺に死ねって言うのと同様だぞ」などと激怒するのを見て、「BRTやLRTに反対する住民には、もしかすると、これに近い感情を抱く人もいるのかもしれない」と連想した。つまり仕事を思い出してしまった。

 *以下、『家族はつらいよ2』の内容に関する記述が含まれています。