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ケンセツ的視点

小栗旬が重機で壊したもの

2017/05/16

 土木や建築の工事現場は、事態の進展や時間の経過を視覚的に伝えられるので映画の題材に適している。工事現場を描く映画で古典としてまず思い浮かぶのは、熊井啓監督の『黒部の太陽』だ。筆者個人としては三谷幸喜監督の『みんなのいえ』が記憶に残る。

 公開中の降旗康男監督の新作『追憶』では、小栗旬の演じる建設会社社長の田所啓太が自ら重機を運転して工事現場で働いている。主役は岡田准一が演じる刑事の四方篤だが、ストーリーの進行では田所の役割も大きい。見終わって、建設工事が社会や個々の人生に及ぼす影響の大きさを改めて思った。

 *以下、『追憶』の内容に関する記述が含まれています。

様々な重機が活躍する宅地造成工事の現場。映画『追憶』には、小栗旬の演じる建設会社社長が宅地造成の現場で働く場面がある(写真:日経コンストラクション)*写真は本文とは関係ありません

 田所が経営する「田所興業」は石川県輪島市にある小さな会社だ。土木工事では宅地造成、建築では住宅などの新築のほかに解体も手掛ける。

 四方が田所と工事現場で会う場面は、能登半島の美しく雄大な自然を背景に2人の二枚目俳優がたたずむ見せ場になっている。さらに田所は、自身や四方の込み入った過去との関わりが深いある構造物を、自ら重機で壊す。人生の新しい局面に向かおうとする決意を行動で表現したこの場面は、物語の構成上、重要な意義を持っている。

安藤 剛日経コンストラクション

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