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ケンセツ的視点

パニック映画「サバイバルファミリー」に見た道路の底力

2017/03/09

 3月11日が今年もやってくる。東日本大震災が起こった6年前、東京都在住の筆者は被災したわけではなく、被災地を取材したにすぎない立場だが、ライフラインが寸断された状況を目の当たりにした記憶は鮮やかに残っている。

 都内が同様の状況に陥ったら住民の生活はどうなるかを、一組の家族に焦点を当てて描いた映画が公開中と知り、先日見に行った。矢口史靖原案・脚本・監督の「サバイバルファミリー」(出演:小日向文世、深津絵里など)だ。

*以下、「サバイバルファミリー」の内容に関する記述が含まれています。

映画「サバイバルファミリー」で重要な役割を果たす東名高速道路。主人公一家は東名川崎インターチェンジから西へ向かう。実際にロケ地になったのは山口県の山口宇部道路や宇部湾岸道路だ(写真:日経コンストラクション)

唯一機能した交通インフラ

 この映画では何らかの大災害で、恐らく現実にはありえないほどライフラインが徹底的に壊滅する。極限的な状況下で人は何を頼りに生きるべきかを訴える作品のようだ。その最たるものは建設と関係が無いので触れない。何番目かに重要なものとして描かれているのが高速道路だ。

 都内での生活が行き詰まった主人公の鈴木一家は、西日本のある地域に向かおうとするが、使える乗り物は自転車だけ。目的地へのルートも分からない。

 それでも出発した一家が頼ったのは、道路標識に従って走ればほとんど道に迷わずに済む高速道路だった。東名川崎インターチェンジから自転車で東名高速道路に入り、西へ向かった。

 自転車が高速道路を走るのはフィクションならではの設定だろうが、道路が大災害の発生直後に比較的機能する交通インフラであることは現実の災害でも明らかだ。

 筆者自身、東日本大震災で飛行機も鉄道も利用できない時期に出張で車を多用して、わずかながら実感した。災害発生時には交通以外の機能を発揮することもあり、東日本大震災では三陸沿岸道路が津波から徒歩で逃れる住民の避難場所として利用された。

安藤 剛日経コンストラクション

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