期待される民間のボーリングデータの公開・共有
地盤調査というと、簡易で安価なスウェーデン式サウンディング(SWS)試験が一般的だ。地面にロッド(先端がスクリュー状になっている鉄の棒)を回転して貫入させ、その回転数や貫入時の感触などで地盤の強度や土質を推測する。
これに対してボーリング調査は、実際に地盤をボーリングし(くり抜き)、地盤の強度を測定し、土質を確認する。SWS試験よりコストはかかるが、調査結果の確度が高く、SWS試験より固い地盤でも調査でき、深い支持層(固い地盤)を確認できるといったメリットがある。
国土交通省の直轄工事で得られたボーリング調査データの一部は、「国土地盤情報検索サイト KuniJiban」で公開されている。このほか公共工事のボーリング調査データは、比較的容易に入手できる。
しかし、民間の建築物や工作物の工事に当たって実施されたボーリング調査のデータは一般的に公開されておらず、入手が困難だ。地盤の専門家からはかねて、「民間工事のボーリング調査データを公開するシステムがあれば」という声が上がっていた。
今回立ち上げた小委員会での議論が、こうしたボーリング調査データの公開・共有システムを構築する足がかりになることを期待する向きも多いだろう。