「登竜門資格」の受験者も高齢化?
一級土木施工管理技士の保有率と取得希望率は、「若いうちに取るのが当然」というイメージにふさわしい傾向を示している。保有率は40歳代で早くも50%を超える。ただ、取得希望率は50歳代以上でもゼロにはならない。
この資格の対策講座を設けている総合資格学院によると、最近は中高年の受講者が増える傾向があるという。背景には、多発する自然災害への対策や東京五輪関連で土木工事の発注はやや活発になっても、依然として若い人材が集まりにくい業況があるようだ。
記憶力や集中力が低下していく年齢で、資格取得のために試験勉強をするのはなかなかきついことではあるが、定年後も現役の技術者として働くうえで資格が武器になることも事実だ。少子化で若者の総数が伸び悩む限り、土木界が若い人材を獲得する苦労は続くだろう。
土木工事に占める老朽インフラの補修や改修のウエートが拡大していく時代には、資格取得で精神的に若返って奮闘するシニア技術者こそが現場の主役になっていくのかもしれない。
(関連記事:筆記試験の合格率に明暗、技術士建設部門/登録資格第2弾が決定、新設の調査・設計も対象に/1級施工管理技士、学科の前倒し受験を可能に)