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ケンセツ的視点

「そろい踏み」の無い建設産業の限界

2017/09/21

品川駅西口の現況。左端にJR東日本、その右に京急の各ホームへの入り口が並ぶ。国道15号を隔てて建つ白いビル(写真右上隅)は西武系の品川プリンスホテルだ(写真:日経コンストラクション)

 先日、品川駅西口駅前広場の事業協力者決定を報じた際に、記事のタイトルで「そろい踏み」という言葉を使った。相撲に由来するごくありふれた慣用句だが、久々に使ったような気がした。本誌(日経コンストラクション)や弊社の他誌での使用頻度が気になって調べてみた。

(関連記事:京急・西武・JRがそろい踏み、品川駅前巨大広場

 すると、本誌や同じ建設関連の日経アーキテクチュア、日経ホームビルダーでは、「そろい踏み」という言葉はほとんど使わないようだった。建設関連以外の他誌で、「各社の新製品がそろい踏み」、「大手○社がそろい踏み」などと頻繁に使われるのとは対照的だ。筆者が用いたのもはるかな昔、美術雑誌の記者だった時ではないかと思われる。「巨匠画家3人がそろい踏みの展覧会」などといった具合に。

上下関係が付き物の業界

 この違いはなぜ生じるのかと考えてみた。建設産業の各社がほかの業界に比べて単独で事業活動を展開する傾向が強いかというと、全くそのようなことはない。むしろ1つの案件を、JV(共同企業体)や元請け・下請けといった形で集まる複数の企業で担うのが常態化している業界だ。

 ただ、元下関係はもとよりJVも煎じ詰めれば幹事会社とその他大勢で、上下関係が付き物だ。建設会社のJVに大手が何社か入っていてもそうで、決して「そろい踏み」ではない。美術のグループ展の取材では参加している画家にそれぞれ話を聞くことになるが、建設現場では原則として元請け会社やJVの幹事会社だけが取材に対応する。

 建設現場には大勢の技術者と技能者が様々な業務を担って集まる。彼らを烏合の衆にしないように統制し、責任の所在を明らかにする必要から、そうした上下関係が生じて定着したのだろう。

安藤 剛日経コンストラクション

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