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ケンセツ的視点

ZEHブームはもう終わるのか?

2017/09/11

日経ホームビルダー

 住宅の省エネ化を目指し、国が進めているネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)。その普及シナリオの雲行きが怪しくなってきた。ZEHの補助事業で申請件数が伸び悩んでいるのだ。

 執行団体である環境共創イニシアチブ(SII)は9月1日、2017年度のZEH支援事業を10次公募まで追加することを発表。公募期間を10月10日まで延長した(関連記事:ZEH支援事業、9次、10次公募を追加実施)。

 心配なのは、期間を延長したのが2度目であるということだ。当初、公募期間は4次公募の8月中旬までの予定だった。だが、8月に4次~8次の公募を追加実施すると発表。ZEH支援事業の公募期間を9月20日まで延期していた。にもかかわらず、今回の再延期となったのだ。

ZEH普及策のロードマップ(資料:経済産業省)

申請約1万件の勢いはどこへ

 申請件数の推移を見ると、伸び悩んでいる様子が浮かび上がる。3次公募までは1000件を上回っていたが、4次公募以降は1000件を下回った状態が続いた。6次公募が終了した時点で、申請件数は合計6113件にとどまり、当初想定していた9700件の約6割にしか到達していない。

2017年度ZEH支援事業の現状と公募予定(資料:環境共創イニシアチブ)

 16年度の支援事業では、申請件数が9993件と、交付件数の6356件を大きく上回った。それなのに、17年度は伸び悩んでいるのだ。

 このままのペースが続けば10次公募の締め切り時点でも、目標を達成できるのか不安が残る。SIIのウェブサイトによると、7次~10次の公募期間の申請件数は3500件を見込んでいる。10日ごとに約900件の申請ペースだ。これだけのハイペースで申請があるとは考えにくい。

魅力低下?認知度不足?本当の理由は?

 申請件数が伸び悩んでいる理由は一体何か――。ZEHについて取材をしていると、さまざまな声が聞こえてくるので、色々と考えを巡らせてしてしまう。

 例えば、補助金額の減少だ。16年度は1戸当たり125万円だったが、17年度は1戸当たり75万円と50万円減額した。多くの事業者に支援事業を利用してもらいたいという思いからだろうが、これが裏目に出てしまった可能性もある。事業者にとって、「魅力が低下した」と捉えられてしまったのではないだろうか。

 営業担当者がZEHをうまく顧客に説明できないという声もあった。顧客がZEHのメリットを理解できなければ、補助金を活用するという一歩は踏み出せない。

 そもそも、ZEH自体の認知度が低いことを指摘する声もある。顧客がZEHに興味がないため、提案したくてもできない住宅会社もあるだろう。

 いずれにせよ、現状をしっかりと分析して課題を解決しておくことが、これからのZEH普及に必要ではないだろうか。経済産業省や国土交通省、環境省は18年度予算の概算要求で再びZEHを支援する施策を掲げている(関連記事:ZEHやCLTに62億円、環境省ら3省で要求)。

 ZEHによって多くの住宅会社が住宅の断熱性能に目を向けているだけに、しっかりと原因を明らかにして次につなげてほしい。ZEHをブームとして終わらせてしまうか否か。今まさに、その岐路に差し掛かっているのだ。

安井 功日経ホームビルダー

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