大阪市と堺市を結ぶ路面電車の阪堺電気軌道(阪堺電車)。日本一高い「あべのハルカス」がある天王寺駅前から出発する上町線の線路の一部が移設し、関西初の芝生軌道が姿を現した。新たな駅舎や軌道は12月3日から供用開始。2016年9月時点の写真とともにその新旧の軌道を比較する。
都市計画道路長柄堺線(あべの筋)に敷かれた阪堺電車上町線の天王寺駅前─阿倍野間、約500mのひと駅区間の線路を、西側に新たな軌道を造って移設する。センターポールによる架線や芝生を取り入れ、天王寺駅前停留場・駅舎の新設、阿倍野停留場ホームの新設なども実施した。
天王寺駅前電停と阿倍野電停の間を行く電車は、12月3日から新たな線路を走る。阿倍野停留場下りホーム(我孫子道・浜寺駅前方面)や天王寺駅前停留場地下通路のリニューアルは移設後も工事が続き、2017年度中の供用開始を目指す。
工事名は「都市計画道路長柄堺線拡幅整備に伴う阪堺電気軌道上町線移設工事」。工期は2015年7月から2017年12月まで。新たな軌道を造りながら、天王寺駅前、阿倍野の順に停留所の新設工事などを実施した。発注者は阪堺電気軌道、施工者は土木・建築工事が南海辰村建設・奥村組JV、線路設備工事が南海辰村建設。