現状の片側1車線を拡幅、渋滞解消へ
12月3日から新軌道へ移る阪堺電気軌道上町線の天王寺駅前─阿倍野間。その阿倍野停留所を見ると、複合施設「あべのベルタ」寄り(西側)に上り(天王寺駅前方面)用の屋根付き新ホームが建っていた。
新たに屋根が付いた阿倍野停留所ホームは、スロープで地上とつながり、車いす利用者などに配慮した構造に。下り(我孫子道・浜寺駅前方面)の新ホームは2017年度中に供用開始することから、既存線路の撤去に併せて上りホームと同様の屋根付きホームが出来上がるだろう。
この阿倍野交差点付近は、新線移行後に既存ホームを撤去し、住吉方面車道(南行車道)などの車線が増える予定。大阪市によると、あべの筋の天王寺駅前─阿倍野間は、線路移行・旧線撤去が進むと、南行車道(堺市方面)が基本2車線に、北行車道(大阪市中心部方面)が3車線になる。朝夕を中心にあべの筋方向の渋滞が発生していたが、新ホーム・新軌道へと移行することで渋滞も緩和すると見込む。
あべの筋は大阪中心部を南北に貫く主要幹線道路だ。これまで阪堺電車の線路が中央部にあり、車道の一部には片側1車線区間もあった。大阪市によれば、この拡幅整備と、道路西側で進む阿倍野再開発事業などで阿倍野交差点の渋滞解消を目指す。
また、新たな天王寺駅前停留所ホームが既存ホームより30mほど阿倍野側に移ったことなどから、阪堺電車は「新線への切り替えで、一部区間の営業キロ程を変更する」と伝えている。