亀裂や陥没が拡大、益城町内へのアクセスが困難に

 益城町のインフラ被害にも、本震の影響が色濃い。町役場から数百メートル東側に位置する国道443号は、前震の時点で大きな陥没が生じるなどの被害が生じていた。本震で多数の亀裂が生じ、道路は波打つような状態に。車両の通行が難しくなった。

 秋津川沿いでは川に向かって道路がずれ落ち、亀裂が拡大した。橋梁とその背面に生じた段差も大きくなり、橋台のパラペットがあらわになった箇所もあった。

 これらの道路が寸断されたため、町役場の南側に位置する県道28号に交通が集中し、大渋滞が発生している。車で町内を目指していた地元の男女は、「どの道が通れるのか分からない」と途方に暮れていた。町内の生活道路も、本震による家屋の倒壊で通れなくなった箇所が少なくない。

 まるで、別のまちのようだ――。15日と17日の両日に益城町を訪れてみて、あまりの変わりように驚くと同時に、どこかで地震を甘く見ていたことを思い知らされた。

国道443号には大きな亀裂や段差が生じていた。写真は県道28号との交差点(益城町寺迫)を、南側から4月17日に撮影したもの。さらに北上すると、大規模な陥没がある(写真:日経コンストラクション)
国道443号には大きな亀裂や段差が生じていた。写真は県道28号との交差点(益城町寺迫)を、南側から4月17日に撮影したもの。さらに北上すると、大規模な陥没がある(写真:日経コンストラクション)
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上の写真と同様の場所を、本震の前に撮影したとみられる写真(写真:土木学会)
上の写真と同様の場所を、本震の前に撮影したとみられる写真(写真:土木学会)
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前震によって益城町寺迫の交差点の北側に生じた大規模な陥没。本震でさらに被害が拡大している(写真:日経コンストラクション)
前震によって益城町寺迫の交差点の北側に生じた大規模な陥没。本震でさらに被害が拡大している(写真:日経コンストラクション)
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