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 熊本地震で客足が遠のく観光地を巡る旅の2日目(5月6日)は、阿蘇のカルデラ内をぐるり一周する。観光スポットが集積する「阿蘇五岳」と呼ばれる中央火口丘に通じる3方向からの道路は全て通行止めだからだ。しかし、カルデラである阿蘇には、外周を囲む外輪山がある。

南阿蘇村から中央火口丘へ向かう南登山道は通行止め(写真:日経コンストラクション)
南阿蘇村から中央火口丘へ向かう南登山道は通行止め(写真:日経コンストラクション)
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 この日の目的地は、北側の外輪山の「大観峰」に決めた。世界最大級のカルデラを眼下に、正面に中央火口丘を望む絶景スポットして人気が高い。問題は、雨だ。天気予報どおり朝から降っている。さらに山上の天気は不安定なので、期待の眺望は拝めるか。

5月6日の朝6時ごろ、南側の外輪山からの眺め。中央火口丘は見えない(写真:日経コンストラクション)
5月6日の朝6時ごろ、南側の外輪山からの眺め。中央火口丘は見えない(写真:日経コンストラクション)
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5月6日の朝8時ごろ、徐々に視界が晴れてきた南側の外輪山からの眺め(写真:日経コンストラクション)
5月6日の朝8時ごろ、徐々に視界が晴れてきた南側の外輪山からの眺め(写真:日経コンストラクション)
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 筆者が泊まったホテルは南側の外輪山のふもとにあり、中央火口丘を挟んだほぼ反対側に大観峰はある。平時なら南登山道で中央火口丘を上り、東登山道を下って反対側に出るルートが近道だが、どちらも通行止めだ。

 カルデラの周縁をぐるりと迂回するしかない。東回りか西回りか。ナビで検索すると西回りの方が若干近いが、崩落した阿蘇大橋の周辺の被害が甚大な地域を通るため、予期せぬ通行止めや渋滞に遭う可能性がある。

 結局、時間が読める東回りのルートを行くことにした。途中に高森湧水トンネル公園や阿蘇神社など、寄りたい場所もいくつかあるからだ。