九州新幹線や九州自動車道といった大動脈が大型連休に合わせてスピード復旧を果たした。しかし、度重なる地震の影響で、熊本県のみならず九州全体で宿泊施設のキャンセルが相次いでいるという。観光して地域の状況をお伝えするのも復興支援の一つと思い立ち、連休を利用して3日間、阿蘇を中心に見て回った。

熊本空港は一部機能制限

 大型連休終盤の5月5日、正午少し前に熊本空港に降り立った。空港では4月16日未明の本震で天井が落下するなどの被害が生じたものの、19日に運航を再開。空港内はまだ3階レストランフロアが立ち入り禁止になっていたり、1〜2階も一部がカラーコーンとテープで立ち入りを制限したりしていたが、Uターンの出発客や見送りの人たちで混雑していた。

熊本空港2階の出発ロビー(写真:日経コンストラクション)
熊本空港2階の出発ロビー(写真:日経コンストラクション)
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 初日の目的地は、阿蘇観光の南阿蘇村側の拠点である道の駅「あそ望の郷くぎの」に決めた。熊本空港からは、Googleマップで調べると県道28号を使えば30分ほどなのだが、途中の俵山トンネルが崩落したり、橋に大きな段差が生じたりして通行できない。
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 その北側の国道57号などを通る40分ほどのルートも、阿蘇大橋が崩落するなどして通行できない。
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 熊本空港から南阿蘇村に向かう最短ルートは、南側の山沿いを通る「グリーンロード南阿蘇」になる。国土交通省のTEC-FORCEの啓開作業によって4月22日に通行可能になった。このルートを通るとGoogleマップによれば、約1時間17分で着く。平時の2倍以上だ。しかも、後述するように、かなりのワインディングロードだ。

熊本空港から阿蘇地方へ向かうルート(資料:国土交通省)
熊本空港から阿蘇地方へ向かうルート(資料:国土交通省)
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グリーンロード南阿蘇(写真:日経コンストラクション)
グリーンロード南阿蘇(写真:日経コンストラクション)
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