九州自動車道の盛り土が崩壊した区間は、かつての小川を埋め立てた場所だったことが、日経コンストラクションの調べで分かった。詳細な原因は不明だが、地震によって旧河道が液状化するなどして滑り面ができ、盛り土が滑り破壊した可能性などが考えられる。
問題の区間は、九州自動車道の益城熊本空港インターチェンジから南に1.2km付近の熊本県益城町内だ。秋津川を渡る橋のすぐ北側で、盛り土した法面が長さ30mにわたって崩れ、路面に陥没やひび割れが多数生じた。4月14日午後9時26分ごろの「前震」で起こったとみられる。
この区間では、盛り土のすぐ東側を沿うように小川が北から南に向かって流れている。小川は盛り土が崩壊した区間のすぐ南側で、西側へ向けて流れをほぼ直角に転換。九州自動車道の橋の下をくぐり、その先で秋津川に合流している。
九州自動車道の同区間が開通したのは1976年のこと。国土地理院が公開している1967年撮影の航空写真によると、小川は工事前、北東から南西に向かってほぼ真っすぐに流れ、秋津川に合流していることが分かる。