これまで何度も浮かんでは消え、消えては浮かんできた日本橋(東京都中央区)上空に覆いかぶさる首都高速道路の地下移設の動きが、急速に現実味を増してきた。
7月21日、国土交通省の石井啓一大臣と東京都の小池百合子知事がそれぞれ記者会見で、首都高地下化の検討を本格的に始めると表明。地元の中央区の矢田美英区長も同日、歓迎するコメントを発表した。国交省と都は今後、事業主体となる首都高速道路会社と共同で、日本橋周辺の街づくりと連携しながら検討を進めていく。
首都高地下化の対象は、竹橋ジャンクション(JCT)―江戸橋JCT間(2.9km)のうち、周辺で市街地再開発事業が進む中央区内の区間を想定。2020年の東京五輪・パラリンピック閉幕後の着工を目指し、数千億円規模の事業費を見込む。再開発事業で造る建築物と道路との一体的な整備も視野に入れる。
具体的な線形や構造、対象区間、事業費などは今後、国と都と首都高の間で詰めていくが、「計画の策定と工事の実施を含めると、10年から20年単位のビッグプロジェクトになる」(小池知事)。