国内最速、月進340m以上を目指す

 トンネル路線上の地質は、N値が50以上の硬い泥岩や砂岩の層を主体とする。土かぶりは最小で7.7m、最大で66.5mを見込む。比較的土かぶりが小さい区間の直上に河川や鉄道との交差部を含むため、影響を計測しながら慎重に施工する必要がある。

 横浜市と首都高は、施工時の掘進速度として月進340m以上を掲げた。横浜市などによると、大断面の泥水圧式シールド機では国内最速となる。トンネルを掘進しながら、切り羽の後方でインバート部や床版の構築も並行して進めるなど、早期開通に向けた工夫も取り入れていく。

東名高速の発進たて坑内の様子
東名高速道路・横浜青葉IC付近にあるたて坑の中で、2台のシールド機が発進を待つ。それぞれが延長約3.9kmのトンネルを約15カ月間で堀り切る計画だ。先行して発進する左側のシールド機では既に発進用の仮セグメントを組み終えてある(動画:日経コンストラクション)

 たて坑の周辺には、泥水処理プラントなどの周辺施設も整備済み。泥水と分離した掘削土は、横浜市内港湾エリアの埋め立て工事で再利用する予定だ。

 北西線が開通すれば、3月18日に開通した横浜環状「横浜北線」と合わせて、横浜港と東名高速道路間のアクセスが大幅に改善する。北線が開通する前は40~60分かかっていたところを、約20分に短縮できる見通し。

(関連記事:3月18日開通の横浜環状「横浜北線」、現地を公開

たて坑の脇に整備した泥水処理プラント。掘削土と混ざった泥水を排泥管でプラントまで運び、泥水と土砂を分離する。泥水の一部は送泥管を通じて地下の切り羽付近まで送って再利用する(写真:日経コンストラクション)
たて坑の脇に整備した泥水処理プラント。掘削土と混ざった泥水を排泥管でプラントまで運び、泥水と土砂を分離する。泥水の一部は送泥管を通じて地下の切り羽付近まで送って再利用する(写真:日経コンストラクション)
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横浜環状北西線のうち、高架区間の工事も進んでいる。写真は横浜青葉IC付近で、3月27日に撮影(写真:日経コンストラクション)
横浜環状北西線のうち、高架区間の工事も進んでいる。写真は横浜青葉IC付近で、3月27日に撮影(写真:日経コンストラクション)
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