会計検査院の2016年度「決算検査報告」から、土木工事関連の不当事項15事例を解説する。目立つのは、工事目的や技術基準といった事業の根幹となる前提条件すら把握していないような初歩的なミスだ。検査院の調査官は、発注者責任に対する自覚のなさを指摘した。
取り上げた事例
- 杭頭が「未補強」、基準改定を反映せず
- 鋼材の干渉回避、再計算せず強度不足に
- 擁壁が根入れ不足、指針に基づかず設計
- 根固め敷設幅が過小、洗掘の恐れ
- 受圧板の水切り分を考慮せず強度不足に
- 水路に近接したガードレールが強度不足
- カルバートの粗雑工事で不同沈下
- 牛ふん尿貯留槽の構造計算をしなかった
- 田を湛水したら水路が浮き上がる恐れ
- 押さえ盛り土の盛り土せず、崩壊の恐れ
- ふとんかご前面に残土、排水目的なのに
- 擁壁の根入れ不足、確認せずに法面整形
- 特定外来生物の侵入防止柵が転倒の恐れ
- 水深誤り係留アンカーが船と接触の恐れ
- 漁礁が埋没、魚育たぬ漁場に