2016年版 技術士第二次試験 建設部門 最新キーワード100
目次
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改正後3年間の傾向
2015年度の建設部門の最終合格率は、急落した14年度をさらに0.7ポイント下回る11.9%となり、この10年間では最低でした。
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記述式の出題テーマ
改正後の2013~15年度の記述式試験から主なテーマやキーワードを取り上げ、選択科目ごとに整理した表です。
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択一式の出題テーマ
2015年度も過去問題や国土交通白書、時事的な話題、専門用語から出題されています。出題パターンに大きな変化はなく、個々の設問のテーマやキーワードもこれまでと同様のものが多く見られます。
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1 少子高齢化
出生率の低下によって子供の数が減るとともに、平均寿命の伸びが原因で高齢者の割合が高まること。総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が7%を超えた社会のことを高齢化社会、14%を超えた社会を高齢社会、21%を超えた場合は超高齢社会と呼ぶ。日本は2007年に超高齢社会に突入した。
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2 国土形成計画
戦後の国土開発の方向性を示してきた全国総合開発計画(全総)の基になる国土総合開発法を、国土形成計画法に改正する法案を2005年3月に閣議決定。改正を受けて新たに作成した計画が国土形成計画だ。
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3 国土利用計画
1974年に制定された国土利用計画法に基づき、国土の利用に関する基本的な事項について定める計画。
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4 社会資本整備重点計画
計画期間における社会資本整備の方向性を示すもの。2003年4月に施行した社会資本整備重点計画法に基づき、それまでの9事業(道路、交通安全施設、空港、港湾、都市公園、下水道、治水、急傾斜地、海岸)個々の長期計画を1本にまとめた。
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5 交通政策基本計画
2013年12月に施行された「交通政策基本法」に基づき、15年2月に閣議決定された計画。14年度から20年度までの7年間を計画期間としており、交通に関する基本的な方針や施策の目標、政府が行うべき施策などについて定めている。
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6 地域公共交通活性化再生法
少子高齢化や人口減少などが地方の公共交通機関の運営を困難にしている実態を踏まえ、公共交通機関のネットワークを再構築していくねらいで2014年11月に改正された。地域の活力を維持・強化するために、コンパクトなまちづくりと連携して公共交通のネットワークを確保することが重要だと考えている。
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7 コンパクトシティー
市街地の拡大を抑えて都市機能や住居を徒歩圏内に集約したまち。環境負荷が小さい都市構造も実現する。集約型都市構造と呼ぶ場合もある。
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8 歩道や自転車道の整備
歩道や自転車の走行空間を整備する動きが広がりつつある。背景の一つに、自転車と歩行者との事故が占める割合が高まってきたことが挙げられる。もう一つは、環境に与える負荷が小さい自転車の利用が促されていることだ。
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9 交通事故の傾向と対策
2014年まで減少を続けてきた交通事故による死者数が、15年は前年比0.1%増の4117人となり、15年ぶりに増加した。なかでも、65歳以上の高齢者が占める割合が高まる傾向にある。14年の53.3%から15年は54.6%に上昇した。
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10 バリアフリー・ユニバーサルデザイン
バリアフリーとは、高齢者や障害者などが社会生活をしていくうえで障壁(バリア)となるものを除去(フリー)すること。物理的、社会的、制度的、心理的な障壁、情報面での障壁などすべての障壁を除去する考え方だ。
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11 PPP・PFI
PPPとはPublic Private Partnershipの略。官民連携や公民連携と呼ばれる場合もある。行政が担ってきた役割の一部を民間へ開放し、民間のノウハウを生かして行政と民間が共同で公共サービスの効率化や質の向上を図る。
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12 コンセッション方式
国や地方自治体が、民間事業者に対して施設の所有権は移転せずにインフラの事業運営に関する権利を長期間にわたって付与する方式。2011年11月に施行された改正PFI法で位置付けられた。
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13 国際コンテナ戦略港湾(国際戦略港湾)
アジアのハブ(拠点)港を目指して、重点的に整備する港湾。
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14 リニア中央新幹線
中央新幹線とは、「全国新幹線鉄道整備法」に基づいて計画された東京都を起点、大阪市を終点とする新幹線。1973年に基本計画に位置付けられた。
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15 整備新幹線
「全国新幹線鉄道整備法」に基づき、1973年の「整備計画」で定められた北海道新幹線と東北新幹線、北陸新幹線、九州新幹線(鹿児島ルート)、九州新幹線(長崎ルート)の5路線。
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16 高速道路の整備
1987年に制定された第4次全国総合開発計画では21世紀初頭(2010~15年度)に1万4000kmの高規格幹線道路網の完成を目標とし、全国からおおむね1時間程度で利用が可能なネットワークを形成するとした。
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17 合意形成
公共事業における合意形成のあり方に大きな転換を促したのは、1995年から本格運用を始めた長良川河口堰の環境問題。旧建設省(現在の国土交通省)は「国民に対するアカウンタビリティー(説明責任)が問われた最初のプロジェクト」と位置付けている。
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18 公共事業の評価
公共事業を評価する仕組みとして、国土交通省では新規事業採択時の評価や事業の途中段階で実施する再評価を1998年度から開始。事業完了後の評価も2003年度から始めた。新規事業の場合は主に費用便益比に着目しており、事業の完了後は事業の効果や環境への影響などを確認している。
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19 費用便益分析
事業の効果を金額に換算した便益が、投じた費用を上回っているかどうかをみる手法。公共事業の評価に使われる。
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20 社会資本の老朽化
高度経済成長期に建設された社会資本の老朽化が進み、建設してから50年以上になる割合が急激に高まる点が指摘されている。
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21 維持管理・更新の市場
社会資本の老朽化が進み、維持管理や更新の費用をどう確保するかが課題となっている。国土交通省が2013年12月末に発表した推計によれば、同省が所管する社会資本の1年間の維持管理・更新費は、10年後の23年度に最大約5.1兆円が、20年後の33年度には最大約5.5兆円が必要になるとみている。
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22 インフラ長寿命化計画(行動計画)
政府がインフラ全般の老朽化に対して2013年11月に決定した「インフラ長寿命化基本計画」を基に、中期的な維持管理や更新などの方向性を示すもの。20年ごろには「インフラ長寿命化計画」(行動計画)で対象とした全施設の健全性を確保する。
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23 メンテナンスサイクル
点検や診断、修繕などの措置、記録を繰り返す維持管理の業務サイクル。
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24 予防保全
損傷などの問題が深刻になってから対処する対症療法的な「事後保全」ではなく、早めにこまめに補修して構造物の寿命を延ばす考え。
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25 ISO55001
アセットマネジメントシステムの国際規格。下水道や道路、橋、鉄道、エネルギー、通信などのインフラの分野で、「資金や人材、情報などのマネジメントを含めて、計画的かつ効率的な施設管理を行うことによって所期の機能を継続的に発揮していくために必要な要求事項」をまとめたもの。
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26 点検・診断
予防保全などによって構造物の長寿命化を図るうえで、基本となるのが構造物の現状を正しく把握するための点検や診断だ。
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27 維持管理への住民参画
厳しい財政事情や人材難を背景に、住民やNPO(非営利組織)もインフラの維持管理の担い手として位置付ける傾向が強まってきた。国土交通省が2000年度から始めたボランティア・サポート・プログラムに参加する団体も増え、13年3月時点で約2400団体に上っている。
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28 道路・河川空間のオープン化
これまで利用が制限されていた道路や河川の空間を、民間に開放(オープン化)すること。国土交通省の成長戦略会議が2010年5月にまとめた成長戦略の一つだ。
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29 インフラのストック効果
安全の確保や生活の質の向上など、完成したインフラによって中長期的に発揮される効果。2015年9月に閣議決定した第4次社会資本整備重点計画で示した。
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30 道路を「賢く」使う
従来の「いかに整備・維持するか」に加え、「いかに利用するか」という課題を踏まえて国土交通省が取り組む道路政策。
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31 重点「道の駅」制度
「道の駅」の中でも地域活性化の拠点となる優れた企画があり、今後の支援で効果的な取り組みが期待できるものとして国土交通省が重点的に応援する制度。
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32 指定管理者制度
公共施設の管理・運営を民間企業が代行できる制度。2003年9月に施行された改正地方自治法で導入された。
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33 東日本大震災
2011年3月11日午後2時46分に発生。日本の地震観測史上、最大となるマグニチュード(M)9.0を記録した巨大地震。地震名は東北地方太平洋沖地震。
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34 南海トラフ巨大地震
東海地震、東南海地震、南海地震を起こす震源域が南海トラフで連動して生じる巨大地震。西側の日向灘まで震源域が延びる可能性も指摘されている。東海・東南海・南海地震と呼ぶ場合もある。
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35 首都直下地震
都市直下型地震の一つで、神奈川県や東京都、千葉県など関東地方の南部で繰り返し発生するマグニチュード(M)7級の大地震。東京湾北部地震や多摩直下地震もその一つだ。
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36 液状化
地下水位の高い砂地盤が地震時の振動によって流動しやすくなる現象。埋め立て地のほか、河川や水田の跡地といった地下水位の高い場所で生じやすい。結果、比重の大きい構造物が倒れたり、下水管など比重の軽い構造物が浮き上がったりする。
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37 豪雨災害
地球温暖化に起因するとみられる異常気象で、「100年に一度」と考えられている以上の豪雨が頻発している。1時間の降水量が50mm以上になる雨の発生回数は右肩上がりで増えており、1時間に100mmを超す大雨の発生回数も増加傾向にある。
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38 都市型水害
台風や集中豪雨によって地下街が浸水したり地下鉄が止まるなど、都市機能がまひするケースが相次いでいる。降雨で河川の水位が上昇し、市街地に降った雨水が川に流れ込むことができずに市街地にたまってしまう「内水氾濫」と呼ぶ現象だ。
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39 豪雪
1962年に制定された「豪雪地帯対策特別措置法」によって、2015年4月時点で24道府県の532市町村が豪雪地帯に、そのうちの201市町村が特別豪雪地帯にそれぞれ指定されている。
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40 土砂災害危険箇所
土砂災害危険箇所は「土石流」と「地すべり」、「急傾斜地の崩壊」からなり、全国で52万5300カ所に上る。最も多くを占めるのが、約33万カ所の「急傾斜地の崩壊」。「土石流」が約18万カ所、「地すべり」が約1万カ所となっている。
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41 土砂災害防止法
死者24人を出した1999年の広島豪雨災害をきっかけに制定され、2001年4月に施行された。正式な名称は、「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」。急傾斜地の崩壊や土石流、地すべりといった土砂災害を対象とする。
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42 津波防災地域づくりに関する法律
東日本大震災の教訓を踏まえ、2011年12月に施行された。最大クラスの津波が発生した場合でも、ハードとソフトの施策を組み合わせた「多重防御」の発想によって津波災害に強い地域づくりを進める。
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43 粘り強い構造
設定した水位を超える大津波に襲われても直ちに全壊しないような構造。東日本大震災による被害状況を踏まえ、河川や海岸などの各分野で技術基準を見直している。
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44 火山対策
日本の活火山の数は2011年6月に2火山が新たに選定され、110となった。気象庁は110の活火山のうち、監視体制の強化が必要な50火山については常時観測火山として24時間体制で監視している。
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45 タイムライン
災害時の行動を事前に時系列で整理した防災行動計画。例えば、台風の接近などの数日前から、自治体や鉄道会社といった関係機関がどのような行動を取るかを時系列で定める。
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46 社会資本の多面的活用
既存または事業中の社会資本にわずかな改良を加えたり、運用の改善を図ったりすることによって、その施設の本来の機能とは別の防災・減災機能を付加し、活用すること。
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47 災害対策基本法
1959年の伊勢湾台風を契機として、61年に制定された。災害対策に関係する法律の一般法であり、災害対策全体を体系化したものだ。
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48 国土強靭化基本法
巨大地震や火山噴火などの大規模災害に備え、公共施設の耐震化や避難路の整備などを推進する。2013年12月に成立した。東日本大震災の教訓を踏まえ、事前防災や減災に重点を置く。
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49 ハザードマップ
自然災害による被害を予測し、その被害範囲や災害の危険度などを示した地図。予測される災害の発生地点や避難経路、避難場所などの情報も示されている。
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50 BCP
Business Continuity Planの略。災害発生時の業務継続のために平常時に定めておく「事業継続計画」。
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51 地球温暖化
大気や海洋の平均温度が長期的にみて上昇する現象。国際間組織「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次評価報告書によれば、世界全体の平均気温は1906年から2005年までの100年間に0.74℃上昇した。
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52 ヒートアイランド現象
等温線を描くと都心部の気温が島のように見えることから、ヒートアイランド現象と呼ばれている。IPCCの第4次評価報告書によれば、過去100年で地球全体の平均気温が約0.7℃上昇した。
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53 低炭素社会
二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出を最小限に抑えた社会の姿を示す言葉。地球温暖化の最大の原因は、人為起源の温室効果ガスの増加であり、化石燃料の多用によるCO2の排出の影響が最も大きいとされている。
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54 地球温暖化対策計画
地球温暖化に関する日本で初めての総合計画。「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づいて2016年5月に閣議決定した。日本が温暖化対策を進めていくうえでの基本になる。
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55 気候変動の影響への適応計画
気候変動による様々な影響に対し、政府全体として取り組む初めての適応計画。2015年11月に閣議決定した。
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56 エネルギー基本計画
2002年6月に施行されたエネルギー政策基本法に基づき、エネルギー政策の基本的な方向性を示すために政府が定める計画。14年4月に閣議決定した新しいエネルギー基本計画は、最初に制定した03年から数えて第4次の計画になる。
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57 新エネルギー
1997年に施行された「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」(新エネルギー法)で定められたエネルギー。
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58 小水力発電
一般の中小河川や農業用水路、上下水道などの流量や落差をそのまま利用して発電するシステム。小水力発電についての厳密な定義はなく、出力1000kW以下の発電設備を総称して呼ぶこともある。
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59 雨水の利用の推進に関する基本方針
昨今の気候変動などに伴って水資源の循環が課題となってきたことを踏まえ、水資源の中でも雨水(あまみず)の利用に着目した。水資源の有効な利用を図るとともに、下水道や河川などへ雨水が集中して流出しないよう抑制することも目的としている。基本方針は2015年3月に決定した。
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60 水循環基本計画
2014年7月に施行された水循環基本法に基づき、水循環に関する基本的な方針や施策、施策を推進するために必要な事項を示した。15年7月に閣議決定した。
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61 生物多様性
生物の種類などが多様で、バランスを保っていることを指す造語。様々な生物が相互に影響し合ってできる生態系が地域ごとに多様であることも含む。
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62 循環型社会形成推進基本法
廃棄物の抑制やリサイクル推進の基本理念を示した法律。2000年6月に施行された。廃棄物やリサイクルに関する個々の法律を束ねる位置付けとなる。
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63 建設廃棄物
2012年度の建設廃棄物の排出量は約7400万トン。国土交通白書2015によれば、全産業廃棄物排出量の約2割、最終処分量の約2割を占めている。
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64 建設リサイクル
国土交通省が2014年3月に発表した「平成24年度建設副産物実態調査」の結果によれば、焼却や脱水などの「縮減」も含めた建設廃棄物全体の12年度の再資源化率は96.0%。前回調査の08年度より2.3ポイント高まり、最終処分量は28%減の290万トンだった。
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65 無電柱化
国土交通省では「良好な景観の形成や観光振興」、「安全で快適な通行空間の確保」、「道路の防災性の向上」の観点から、大きく二つの手法で無電柱化を進めている。
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66 景観
観光を支える美しい国づくりを目指して「景観緑三法」が全面施行されたのは、2005年6月。市町村が定めた景観計画に基づき、建築物のデザインや色彩などを規制できるようにした。
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67 都市の緑化
人々の生活に潤いを与える目的で、街路の緑化や公園の整備は以前から行われてきた。例えば1994年に都市緑地保全法が改正。緑地の保全や緑化の推進に関する方針を示す「緑の基本計画」が全国の市町村に義務付けられた。
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68 環境影響評価法
1984年8月に閣議決定された環境影響評価実施要綱(閣議アセス)に代わり、環境影響評価法(法アセス)が施行されたのは99年6月。大規模な開発事業が環境に与える影響を事前に調査、予測、評価し、環境保全に役立てるための法律だ。
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69 建設投資
国土交通省が2015年10月に公表した建設投資の推計によれば、15年度の建設投資(名目値)は前年度比5.5%減の48兆4600億円になる見通しだ。
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70 建設産業の就業者数と許可業者数
国土交通省が2016年5月に公表した調査結果によれば、16年3月末(15年度末)の建設業許可業者数は、前年同月に比べて1.1%減の約46.8万社だった。ピークだった1999年度末の約60万社に比べると、22%程度の減少になる。
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71 担い手の確保や育成
事業量の増加や経営環境の好転などを背景に、建設産業への新規入職者数が増えつつある。建設技能労働者の不足率もやや落ち着きつつあるようだ。
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72 女性の活躍
減少傾向にあった女性の就業者数が2013年から増えつつある。全就業者に占めるここ10年間の割合は13~14%台で推移してきたが、15年は15%に高まった。ただし、全産業の平均である43%と比べると大きく下回っている。
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73 雇用・労働環境
昨今の人材不足を受けて、製造業などに比べて低迷していた建設産業の技能労働者の賃金水準を見直す傾向が強まってきた。例えば国土交通省は2016年2月、賃金などのベースとなる公共工事設計労務単価を全職種の平均で4.9%引き上げた。4年連続の引き上げとなった。
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74 建設産業の生産性
現状の人材不足や加速する少子高齢化などを背景に、建設産業で生産性の向上が大きなテーマになっている。石井啓一国土交通大臣が15年11月、ICTを全面的に活用した「i-Construction」への着手を表明。
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75 建設業法の改正
「建設工事の適正な施工の確保と建設業の健全な発展に資し、公共の福祉に寄与せんとする」を趣旨とし、建設業法が公布されたのは1949年5月。71年の改正によってそれまでの登録制から許可制へと変わり、19万3000社だった登録業者数は72年に29万5000社の許可業者数へと急増した。
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76 労働災害
労働災害による建設産業の死亡者数が大幅に減少した。15年の死亡者数は前年から13.3%減少して327人。過去最少になった。
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77 労働安全衛生マネジメントシステム
事業者が「計画─実施─評価─改善」という一連のプロセスを定め、継続的な安全衛生管理を自主的に行い、安全衛生水準を維持・向上させていくための仕組み(システム)。
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78 インフラシステム輸出
政府は2010年6月に制定した「新成長戦略」と「産業構造ビジョン」で、パッケージ型インフラの海外展開を重要な施策に位置付けた。設計・建設から運営・管理までを含めたパッケージ型のインフラ展開を官民連携で後押しする。
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79 建設産業の海外展開
海外建設協会が2016年5月に発表した会員企業の15年度の合計受注額は1兆6825億円だった。過去最高だった前年度を7.3%下回ったとはいえ、リーマン・ショック前の07年を上回る過去2番目の水準を維持している。
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80 民間資格の登録制度
インフラの点検や診断などの業務の品質を確保するには、一定の技術レベルに達した資格保有者を配置する必要があることから、国土交通省は業務で必要とする知識や技術を登録要件として明確化し、要件に合った民間資格を登録する制度を創設。
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81 技術者倫理
特定の社会や職業で技術者が守るべき約束事項で、特に職業上や商取引上の対人関係において、誠実で立派な態度をあくまで重んじること。一般にすべての人に問われる道徳とは異なり、例えば技術士という立場でのプロとしての約束事になる。
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82 担い手三法の改正
「公共工事の品質確保の促進に関する法律」と「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」および「建設業法」の改正を指す。2014年6月に相次いで改正された。
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83 公共工事の品質確保の促進に関する法律
品確法や品質確保法と略して呼ぶ場合もある。自民党が議員立法で2004年11月に臨時国会に提出し、05年4月に施行された。同法のポイントは、価格だけで落札者を決める仕組みの見直しをうたったこと。
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84 入札契約適正化法
正式には「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」。中尾栄一元建設大臣が収賄の容疑で逮捕されたことに端を発し、公共工事における入札や契約の透明化、公正な競争の促進などを掲げて2001年4月に施行された。
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85 公共工事の入札・契約制度
かつては、入札に参加する会社を発注者が選ぶ指名競争入札がほとんどだった。2005年に発覚した鋼橋談合を受けて、国土交通省は一般競争入札と総合評価落札方式の導入を柱に入札制度改革に取り組んできた。
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86 総合評価落札方式
入札参加者が提出する技術提案書や施工計画書、過去の実績や技術者の資格などを評価して点数を付け、入札価格と合わせて総合的に判断し、落札者を決める方式。
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87 多様な入札・契約方式
2014年6月に改正された品確法や15年1月にまとめられた運用指針では、設計・施工一括発注方式や技術提案交渉方式、段階的選抜方式など、調査や設計、工事の性格などに応じた多様な入札・契約方式を選ぶよう求めている。
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88 包括契約
工事と維持管理など、それまで別々に契約していた業務をまとめて一つの企業または企業体などと契約する方式。包括委託や包括発注、一括発注と呼ぶ場合もある。
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89 低入札
国土交通省が発注する直轄工事などの平均落札率が上昇を続けている。さらに、低入札価格調査に該当した件数は特にコンサルタント業務での減少が著しく、前年度の221件から150件に減った。
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90 入札不調・不落
国土交通省などが2016年4月に公表した「入札契約適正化法に基づく実施状況調査」によれば、入札参加者が集まらない「不調」やすべての入札価格が予定価格を超える「不落」の発生率は、14年度で7.5%。13年度を0.8ポイント下回った。
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91 独占禁止法の改正
独占禁止法(独禁法)の正式な名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」。1947年に制定された。建設産業の談合に大きな影響を与えたのが、2006年1月に施行された改正独占禁止法だ。
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92 CM方式
Construction Management(コンストラクション・マネジメント)の略。工事の発注者と施工者の間に入り、発注者の代理人として建設コンサルタント会社や建設会社などが企画や設計、積算、発注、施工など、事業の各段階におけるマネジメント業務の全部または一部を手掛ける。
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93 ITS
Intelligent Transport Systemsの略で、高度道路交通システムと呼ばれている。ICTを活用して人と道路、車両の3者を情報ネットワークでつなぎ、交通事故や渋滞などの問題解決を目指す交通システムのこと。
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94 i-Construction
測量から設計、施工、検査、維持管理や更新までのすべてのプロセスにICTを導入して、建設産業の生産性を向上させる取り組み。「アイ・コンストラクション」と呼ばれる。
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95 情報化施工
施工段階にICTを活用して、効率化と品質向上を図る施工方法。
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96 CIM
Construction Information Modelingの略。三次元モデルを活用し、調査から維持管理までの情報を構造物などのモデルの属性として共有。事業全体の効率化を図る。
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97 インフラ用ロボット
国土交通省と経済産業省が中心となって2013年7月に「次世代社会インフラ用ロボット開発・導入検討会」を設置。同年12月に「開発・導入重点分野」として、維持管理と災害対応を選んだ。
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98 ビッグデータ
構造化されていないものも含む膨大な量のデータ群。社会資本の整備や維持管理、運営、自然災害への対応といった様々な分野で、ビッグデータやオープンデータを活用する機運が高まっている。
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99 プレキャスト化
コンクリートを施工現場で打設せずに工場で部材を製作し、現場に搬入して組み立てること。場所打ちコンクリート工法に比べていくつかのメリットがあり、一つは工期の短縮だ。
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100 ウエアラブル機器
身体に装着する電子機器。ICTを活用したものが多く、ウエアラブル端末と呼ばれる場合もある。