ピーエス三菱 上司を介さず本社に届く

 ピーエス三菱も2016年度から、若手の研修を手厚くしている。

 技術系社員を対象に、年次ごとのロードマップを作成して共有。入社1年目の研修は、従来の3カ月から6カ月に延長した。現場でのOJTが始まってからも、入社3年目までは1人1人のロードマップに沿った習熟度を会社が管理する。

 同時に、若手のメンタル面のケアも充実させた。月に1度、業務の内容や暮らしぶりなどを「近況報告シート」に書いて提出してもらう。現場の上司を介さず、本社に直接届くようにしたのが特徴だ。上司に言いづらい仕事の悩みを拾い上げる。

 各地の現場にいる若手の様子を本社が把握する手間は大きい。それでも「若手の離職率が劇的に改善した」と、同社総務人事部の柏木一郎部長は満足げだ。かつて入社3年後の離職率が20%を超える年もあった。ところが、15年度入社で退職したのは34人中2人、16年度入社はまだ1人も辞めていない。

 若手を孤立させず、チームプレーで盛り立てる仕組みは建設コンサルタント会社も導入している。