地下構造物編45 近接影響検討で土留め変位が最大となる断面で検討しなかった

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概要

 近接施工影響検討において、土留め変位が最大となる断面で検討していなかった。原因は、既設構造物との近接施工影響検討を行う際には、その検討断面は(1)最も既設構造物と近接している箇所、(2)最も土留め変位(背面地盤変位)が大きいと考えられる箇所から選定すべきであるが、このケースにおいては(2)が見落とされていたためである。

解説図

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対策

 土留変位が最大となる断面で再検討を実施した結果、土留め壁の芯材のランクアップが生じた。

対策担当者の声

 近接工事の場合、第三者への影響が懸念されることから、検討断面の設定には十分注意する必要がある。 検討に当たっては、「近接施工に伴う設計・施工の手引き(開削工事編)」を参照するのがよい。

※この短期連載は「設計不具合の防ぎ方 増補改訂版」から一部を抜粋したものです。第3回は3月30日(木)、伸縮装置や遮音壁などの付属構造物設計の不具合事例を紹介します。