地下構造物編20 構造目地部で漏水が発生した

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

概要

 埋め戻しを終えた建設中開削トンネルの構造目地部において、防水層が破損したものと考えられる漏水が生じた。原因の一つとして構造目地部の温度伸縮により、防水層が損傷したものと考えられる。

解説図

[画像のクリックで拡大表示]

対策

 躯体底版下部の防水に使用しているゴムアスファルトシートについて、相応の伸縮量に対応する新しい構造を検討し取り替えを行った。具体的には、(1)引張を受ける材料長を長くする。(2)ゴムアスファルトシートの上下に摩擦係数がコンクリートの1/5であるフッ素樹脂テープを貼り付けることによりすべり面を持たせる構造にする。(3)その上部には同じ幅の発砲スチロールを設置し、躯体重量をゴムアスファルトシートに直接伝えにくい構造にする。

対策担当者の声

 開削トンネルは地中にあることから通常温度影響を受けにくいものと考えられているが、必ずしもその限りではないことを認識した。マニュアルや基準のみならずその原理にも注意を払うことが重要である。