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設計不具合の防ぎ方

杭が干渉、発注者が明かした設計不具合

(1)橋梁設計の不具合66事例から

2017/03/16

阪神高速道路株式会社・設計不具合改善検討会(編) 定価:本体5,200円+税

 日経BP社は3月6日、書籍「設計不具合の防ぎ方 増補改訂版」を発行しました。発注者が自ら明かした、実際に起こった200の不具合事例をまとめた類例のないマニュアルです。

 増補改訂版では、点検義務化や大規模修繕の事業化を踏まえ、不具合事例をさらに充実させました。

 この短期連載では、本書に掲載した内容の一部を紹介していきます。第1回は、橋梁設計の不具合66事例のなかから、増補改訂版で追加した3つを特別に公開します。

 阪神高速および他機関で発生した設計の不具合事例として橋梁66件、地下構造物52件、付属構造物29件、また、供用段階の不具合事例として53件の合計200件を精選しとりまとめた。

 橋梁に関する不具合事例66件の内訳は下表のとおり、基礎構造7件、下部構造(コンクリート構造)21件、下部構造(鋼構造)10件、下部構造(複合構造)3件、上部構造(鋼構造)21件、上部構造(コンクリート構造)4件である。

橋梁に関する不具合事例一覧
(資料:阪神高速道路株式会社・設計不具合改善検討会)

 掲載した不具合事例は、施設や具体的部位・箇所など、発生段階、不具合の原因分類、対策規模、発見者、発見時点、発見理由、リスクマトリックスを示し、続いて不具合の概要、解説図とその対策、さらには担当者による生の声を示した。

橋梁編06 杭基礎が地下埋設物に干渉した

概要

 拡幅工事における新設橋脚の詳細設計が終わり、道路管理者との施工協議の段階で、埋設物が橋脚基礎と干渉していることが判明した。原因は、地形図、地下埋設物情報を収集しCADデータ化をしていたが、最終段階の図面には埋設物情報が入ったレイヤ-を非表示にしたため、埋設物の存在に気付かずに橋脚位置を決定したためである。

解説図

(資料:阪神高速道路株式会社・設計不具合改善検討会)

対策

 地下埋設管を避けた位置に橋脚を移動し、再設計を行った。その結果、橋脚高さの変更が生じた。

担当者の声

 本件は、幸い橋脚の位置を変更することができ、そのシフト量も大きくなかったことから構造全体への影響は小さかった。設計業務において、CADは必要不可欠の存在となっているが、設計最終時には、図面を打ち出して、チェックリストを作成し、複数の技術者の照査が必要である。

橋梁編10 上下部構造の調整不足で橋脚位置を誤った

概要

 協議用に作成した拡幅上部構造の概略設計の図面をもとに増設橋脚の設計を行ったが、間詰部も考慮した最終上部構造を反映した図面を作成したところ支承が配置できなかった。原因は、組織間の情報伝達不足により、最終上部構造を反映した図面をもとに、下部構造の設計が行なわれなかったためである。

解説図

(資料:阪神高速道路株式会社・設計不具合改善検討会)

対策

 最終上部構造に適する支承位置となるように増設橋脚柱の位置を変更した。

担当者の声

 下部構造図の作成段階で、発注者、上部構造設計者との3者間で、施工過程も含めた決定根拠が合っているかを確認すべきであった。上下部構造境界部の不具合は多いため、発注者が各設計者との間での情報共有に特に気をつけなければならない。

橋梁編51 既設鋼桁拡幅部の接続部材が取り合わなかった

概要

 既設鋼桁拡幅部の接続部材(横桁、対傾構)を施工するため現地計測を実施していたが、接続部材寸法が短く取り合わなかった。原因は、現地計測結果を製作に反映させる際に、設計値との誤差について橋軸直角方向の符号を逆にして算出してしまったためである。

解説図

(資料:阪神高速道路株式会社・設計不具合改善検討会)

対策

 現地計測のうえ接続部材を再製作し、部材を取り替えた。その結果、橋面工への引き渡し時期が当初より遅れてしまった。

担当者の声

 現地計測結果と設計の差をチェックしたことは当然のことであったが、その記載において数値の符号を間違える単純ミスをした事例であり、現場においても複数者によるクロスチェックが必要である。

※この短期連載は「設計不具合の防ぎ方 増補改訂版」から一部を抜粋したものです。第2回は3月23日(木)、トンネルや擁壁などの地下構造物設計の不具合事例を紹介します。

設計不具合の防ぎ方 増補改訂版

実際に起こった200の設計不具合事例を発注者が明かしました。設計不具合の防ぎ方を、橋、トンネルなどの構造物別に図と写真を使いながら分かりやすく解説します。

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阪神高速道路株式会社・設計不具合改善検討会(編)
定価:本体5,200円+税
発行日:2017年3月6日
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