橋梁編51 既設鋼桁拡幅部の接続部材が取り合わなかった

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

概要

 既設鋼桁拡幅部の接続部材(横桁、対傾構)を施工するため現地計測を実施していたが、接続部材寸法が短く取り合わなかった。原因は、現地計測結果を製作に反映させる際に、設計値との誤差について橋軸直角方向の符号を逆にして算出してしまったためである。

解説図

(資料:阪神高速道路株式会社・設計不具合改善検討会)
(資料:阪神高速道路株式会社・設計不具合改善検討会)
[画像のクリックで拡大表示]

対策

 現地計測のうえ接続部材を再製作し、部材を取り替えた。その結果、橋面工への引き渡し時期が当初より遅れてしまった。

担当者の声

 現地計測結果と設計の差をチェックしたことは当然のことであったが、その記載において数値の符号を間違える単純ミスをした事例であり、現場においても複数者によるクロスチェックが必要である。

※この短期連載は「設計不具合の防ぎ方 増補改訂版」から一部を抜粋したものです。第2回は3月23日(木)、トンネルや擁壁などの地下構造物設計の不具合事例を紹介します。