低くて橋脚が多い、大正時代の橋梁

写真手前から国道2号、阪神本線、阪神高速3号神戸線、阪神なんば線(淀川橋梁)、国道43号(伝法大橋・新伝法大橋)、阪神高速5号湾岸線。写真中央は阪神本線を行く電車が、右上には明石海峡大橋が見える(写真:大野雅人)
写真手前から国道2号、阪神本線、阪神高速3号神戸線、阪神なんば線(淀川橋梁)、国道43号(伝法大橋・新伝法大橋)、阪神高速5号湾岸線。写真中央は阪神本線を行く電車が、右上には明石海峡大橋が見える(写真:大野雅人)
[画像のクリックで拡大表示]

 尼崎駅(兵庫県尼崎市)と大阪難波駅(大阪市)を結ぶ阪神なんば線は、1924(大正13)年に開業した伝法線をルーツとする路線。その線路は、まず大物駅(尼崎市)と伝法駅(大阪市)の間が敷かれ、昭和初期から難波方へと線路を延長していった。

 東京五輪が開催された1964年には、線路が現在の大阪環状線 西九条駅まで到達し、路線名を西大阪線と変えた。そして2009年、近鉄奈良線と相互直通運転が始まり、現在の阪神なんば線と路線名を改めた。

 こうした経緯から、阪神なんば線淀川橋梁を含む伝法駅と福駅の間は、同路線で最も古い区間に含まれ、設置後90年以上が経ち、淀川下流部で最も低い橋梁とその周辺の早期改築が求められていた。

阪神なんば線淀川橋梁と計画堤防高(赤線)の比較(資料:国土交通省)
阪神なんば線淀川橋梁と計画堤防高(赤線)の比較(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]
阪神なんば線淀川橋梁の陸閘・防潮鉄扉付近と計画堤防高(赤線)の比較(資料:国土交通省)
阪神なんば線淀川橋梁の陸閘・防潮鉄扉付近と計画堤防高(赤線)の比較(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]
阪神なんば線淀川橋梁と計画高潮位(赤線)の比較(資料:国土交通省)
阪神なんば線淀川橋梁と計画高潮位(赤線)の比較(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]

 梅田の高層ビルなどから淀川河口域を見下ろすと、河口から阪神高速5号湾岸線、国道43号(伝法大橋・新伝法大橋)、阪神なんば線(淀川橋梁)、阪神高速3号神戸線、阪神本線、国道2号(淀川大橋)が並んで見える。こうした橋を遠望しても、阪神なんば線淀川橋梁が他の橋よりも低いことが確認できる。

阪神なんば線淀川橋梁の上流側にある橋。写真右(上流側)から阪急線、国道176号十三筋、(ライフライン)、国道176号十三バイパス(写真:大野雅人)
阪神なんば線淀川橋梁の上流側にある橋。写真右(上流側)から阪急線、国道176号十三筋、(ライフライン)、国道176号十三バイパス(写真:大野雅人)
[画像のクリックで拡大表示]