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編集長が語る日経コンストラクションの見どころ

建設の「品質」が問われた1年

2015/12/25

 2015年もそろそろ終わろうとしています。振り返ってみると、建設関連の話題が社会を騒がせた1年でした。3月に発覚した免震ゴム支承の偽装、8月には落橋防止装置の溶接不良隠蔽、そして10月には横浜のマンションでの杭のデータ改ざん――。建設に限らず、日本の技術や品質管理は世界トップレベルだと言われますが、本当にそうなのか。日本の建設の「品質」への信頼が揺らぐ出来事が続きました。

 品質が問われたこの1年を振り返る意味を込めて、日経コンストラクション12月28日号では、特集「品質神話の崩壊」を企画しました。先に挙げた事例では、設計、施工、検査、契約形態など様々な問題点が指摘されていますが、特集記事では主に、多くの事象に共通している施工管理の在り方に焦点を当てました。

日経コンストラクション2015年12月28日号特集「品質神話の崩壊」から

 横浜のマンションでの問題について、元請けの三井住友建設は、2次下請けの旭化成建材の管理能力を過信していたという趣旨の発言をしています。よく言われる「性善説」に基づいた施工管理というわけです。信じて任せるというのは、一見“きれい”で、かつ“楽”でもあります。ですが、正論を言ってしまえば、信じて任せることとチェックすることとは分けて考えなければなりません。

 特集記事で取り上げたほかの事例も含め、再発防止策として挙がっているのは、管理の強化です。例えば、「元請けや第三者による全数チェック」。これには時間も費用も掛かるので、その手当てが欠かせませんが、方向性としては妥当なんだろうと思います。

 ただ、私が感じるのは、本当に全数チェックなんてできるのだろうか、という素朴な疑問です。もちろん、最初しっかりチェックするでしょう。当然、ミスや隠蔽などめったに起こりませんから、チェックシートの「OK」欄に、ひたすら「レ点」を付けていくことになります。すると、どこかの時点で“安全宣言”が出てチェックの頻度が減るかもしれませんし、チェックする人にも「慣れ」が出てきてしまうでしょう。結果的にチェックが甘くなって…、ということになりはしないか。

 記事でも触れていますが、施工管理のやり方を根本的に変えるというのも一つの手です。その一例が、動画を使った管理。地下の不可視部分を施工する際、施工者にビデオカメラでの撮影を求めるといった方法です。検査の際に全ての動画を再生する必要はありません。何か問題があったり疑問が生じたりした時に、動画を見返せば施工の生の状況が分かるというわけです。以前に比べて動画の撮影や保存が格段に容易になりました。現実的な方法として、検討の余地があるのではないでしょうか。

野中 賢=日経コンストラクション編集長日経コンストラクション

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