4月14日夜、16日未明と、二度の震度7を記録した熊本地震。なかでも、「本震」とされる16日の揺れで、熊本県内を中心に大きな被害が出ました。そこで、日経コンストラクションでは5月9日号のラインアップを急きょ変更し、16ページにわたって「緊急現地報告 熊本大地震」を掲載しました。

日経コンストラクション2016年5月9日号緊急現地報告「熊本大地震」から
日経コンストラクション2016年5月9日号緊急現地報告「熊本大地震」から
[画像のクリックで拡大表示]

 14日の地震発生を受け、翌15日に本誌の木村駿記者が現地に入りました。住宅などの倒壊は目立ったものの、その時点では橋やトンネルといった土木構造物の被害は限定的でした。宿に着いた木村記者が、「明日は追加取材をしたら一旦東京に戻ろうか」と考えていた矢先、本震が発生。翌朝、様相は一変していました。木村記者は、国道325号の阿蘇大橋の崩落、九州自動車道・緑川パーキングエリア付近に架かる跨道橋の落橋など、本震で拡大した被害状況の取材に走りました。

 取材の結果は日経コンストラクションの特報ページフェイスブックで逐次、お伝えしていますが、5月9日号の誌面では新たな情報も追加し、被害状況を工種ごとに整理しました。日経アーキテクチュアや日経ホームビルダーとも協力し、両誌が取材した成果も盛り込んでいます。日経コンストラクションでは今後、被害発生のメカニズムや復旧・復興の進捗についてお伝えしていきますが、「速報はウェブで」、「整理された情報は誌面で」というように、メディアの特性に合わせて情報発信していきます。

 また、同号の特集は、毎年恒例の「建設コンサルタント決算ランキング2016」です。ここ数年、建設コンサルタント会社の売上高は増加傾向が続いていましたが、やや陰りが見え始めているようです。ただし、各社は手をこまねいているわけではありません。国内公共の調査や設計を中心とした“従来型”の業務の枠を飛び越え、新たな分野への進出を模索しています。インフラ運営、CM(コンストラクション・マネジメント)、観光、海外展開など、新規分野の勝算はいかに――。特集記事をお読みいただき、将来の仕事の芽を見つける手掛かりにしていただければと思います。

日経コンストラクション2016年5月9日号特集「建設コンサルタント決算ランキング2016」から
日経コンストラクション2016年5月9日号特集「建設コンサルタント決算ランキング2016」から
[画像のクリックで拡大表示]

 建設コンサルタント会社の売上高の伸びが鈍化しているのは、東日本大震災の復旧・復興需要が落ち着いてきたことが一因です。それが、熊本地震の発生で今後どうなるのか。本誌では、熊本地震の復旧・復興そのものだけでなく、震災が土木技術者の仕事に与える影響についても、お伝えしていきたいと思っています。