世は空前のAI(人工知能)ブームです。「囲碁のトップ棋士にAIが勝利」などの「快挙」から、「AI同士が人間の分からない言語で会話を始めた」といったどこまで信じていいのか分からない話題まで、AIが一般のニュースで数多く取り上げられています。

 これまで日経コンストラクションでも報じてきたように、土木分野でもAI活用の機運が高まり、様々な可能性が語られています。その一方、AIの効用に懐疑的な人がいるのも事実。AIの研究者の中にも、「あまり多くを期待しないで…」というニュアンスの発言をする人が少なくありません。実際のところ、AIは将来、土木分野でどこまで使えるようになるのでしょうか。

 日経コンストラクション8月28日号では、特集「維持補修2017・助けてAI(人工知能)」を掲載しました。AIとの相性が特に良いと考えられている維持管理分野について、活用の可能性を探ってみようという企画です。

日経コンストラクション2017年8月28日号特集「維持補修2017・助けてAI(人工知能)」から
日経コンストラクション2017年8月28日号特集「維持補修2017・助けてAI(人工知能)」から
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 維持管理分野では、構造物の点検と診断で、ICT(情報通信技術)を活用する試みが始まっています。コンクリート構造物の画像からひび割れを抽出し、抽出したひび割れを基に余寿命を判断する――。人が担ってきたこれらの作業を、センサーやコンピューターに肩代わりさせようというのです。