住宅火災の新リスク:2017年の住宅ニュース(2)

2017/12/22

2017年がもう間もなく終わろうとしている。住宅業界、そして、読者の皆さんにとって、17年はどのような年だっただろうか。日経ホームビルダーでは、今年報じた記事の中から、住宅業界に関連する重大ニュースをピックアップ。3回にわたってキーワードと関連記事を紹介する。第1回は「品質崩壊」を紹介した。第2回は「住宅火災」についてまとめた。

大火で明けた2017年

 2016年12月22日、新潟県糸魚川市で約140棟が焼ける「糸魚川大火」が発生した。17年の年明け早々の住宅ニュースは、この大火から始まったといえる。

 小さなラーメン店で発生した火災は瞬く間に広がった。木造建築物が密集した地域だったことと、毎秒20mを超える風がほぼ1日吹いていたことなどが影響した。

 日経ホームビルダーではこの火災を受けて、住宅の防火対策などについて識者の見解をまとめた。

(写真:日経アーキテクチュア)

戸建て住宅でもあり得る表層火災

 6月14日未明、ロンドン西部に建つ24階建て公営住宅で火災が発生した。外壁が燃え上がる様子は世界中を駆け巡った。

 原因の1つとして上がったのが、外壁に使用していた断熱材だった。日経ホームビルダーでは識者に見解を尋ね、表層火災の課題を探った。

(写真:東京大学生産技術研究所の野城智也教授)

動画で再認識、中廊下式のリスク

 木造の共同住宅では、中廊下式の建物が火災時に危険であることが改めて明らかになった。発端は、北九州市の取り組みだ。

 6月に北九州市小倉北区に立つ木造2階建ての共同住宅「中村荘」で火災が発生した。建物内には住宅用の火災警報器が設置されていたというものの、6人が逃げ遅れて死亡した。その原因の1つとして指摘されていたのが、「中廊下式」という間取りだ。建物の中央を通る廊下に対して、各ドアが向かい合うように部屋が並ぶ構造を持つ。

 この中廊下式共同住宅で火災が起こるとどうなるのか、総務省消防庁の消防大学校消防研究センターでシミュレーションが行われた。その分析と結果を日経ホームビルダーでは記事としてまとめた。以下の記事ではシミュレーション動画も示している。

(写真:北九州市消防局)

 次回は、「擁壁」をキーワードに2017年のニュースを振り返る。

安井 功日経ホームビルダー