4.建築内の避難路、家具の転倒などへの注意

 柱・梁・壁などの主体構造は壊れなくても、その他の二次的な構造材の壁や天井などが壊れた建築もある。L字型に配置された中高層マンションの場合、L字の2つの辺の間に縦方向の隙間(エキスパンション・ジョイント)を設けるが、この部分の設計施工に問題があり、大きく破壊したところがある。設計上の配慮が足りていなかったことが残念である。

 建築が壊れなくても、内部の揺れは上層階ほど大きく、壁に固定していない家具は容易に倒れ、家具の上部に置かれたものは容易に落ちる。このたびの地震でも多くの人が病院に運ばれたが、事前の対策、重たいものは高いところに置かないなどが必須である。

L字型に配置された二棟の中高層マンションのコーナー部分に設けられたエキスパンションジョイントの破壊
L字型に配置された二棟の中高層マンションのコーナー部分に設けられたエキスパンションジョイントの破壊
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