4月14日に発生した最大震度7を観測した地震を皮切りに、震度6クラスの余震が頻発した熊本地震。16日にはマグニチュード(M)7.3の本震が発生し、多くの建物に被害を及ぼした。倒壊した戸建て住宅の多くは築年が古いものだが、中には比較的築年が新しい建物もあった。なぜ倒壊したのか。現地を取材する日経ホームビルダーの荒川尚美記者が、建築の専門家と共にその要因を探った。フェイスブックで速報した記事をまとめた。

土台にOSBが留め付けられていない

 古い建物の被害が多い中で、比較的、建てた時期が新しいと思われるにもかかわらず、倒壊している建物がいくつかあった。

 下の写真は、14日に発生した震度7の地震で1階が潰れた住宅だ。

 倒壊した現場を見たところ、建物はツーバイフォー工法でOSBを使用。築年が古い住宅の隣に増築するよう建てられていたようだ。取材に同行していた建築士が見た限りでは、土台とOSBを留めるくぎが見つからなかった。倒壊した古い住宅に押されるようにして、新しい住宅の1階が潰れたと思われる。

OSBがくぎで土台に留め付けられていないようだ(写真:日経ホームビルダー)
OSBがくぎで土台に留め付けられていないようだ(写真:日経ホームビルダー)
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写真の手間が古い住宅。奥がツーバイフォーの住宅(写真:日経ホームビルダー)
写真の手間が古い住宅。奥がツーバイフォーの住宅(写真:日経ホームビルダー)
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