本震は東日本大震災の約5倍

 また境教授は、過去に震度7を記録した地震と、16日の本震を比較した。その結果が下のグラフだ。

 比較したのは、以下の地震動だ

  • (1)1995年阪神・淡路大震災(JR鷹取)
  • (2)2004年新潟県中越地震(小千谷)
  • (3)2003年宮城県沖地震(大船渡)
  • (4)2011年東日本大震災(栗原)
  • (5)2016年熊本地震・本震(益城)

過去の主要な地震と、16日の本震を比較した。1~2秒の値が大きいと建物に及ぼす影響も大きい(資料:境有紀)
過去の主要な地震と、16日の本震を比較した。1~2秒の値が大きいと建物に及ぼす影響も大きい(資料:境有紀)
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 「このグラフを見ると、16日の本震は東日本大震災の約5倍、阪神・淡路大震災の7割程度の強さをもつ地震動だったことが読み取れる。新潟県中越地震については、14日の前震と同じくらいの規模としていたが、16日の本震の方が大きいことが読み取れる」と境教授。同じ震度7でも建物の被害が異なることは、15日に公開した「東日本大震災の3倍、熊本地震の地震動を分析」で示した通りだ。

 なお、境教授が分析に用いている地震動は、防災科学技術研究所が公表した「KiK-net益城」の記録だ。前震の際に気象庁が震度7と発表した益城町の震度計の近傍にある。本震における益城町の震度は、16日17時の時点で、気象庁から公表されていない。