東日本大震災の約3倍とは

 境教授は、1~2秒の成分がどのくらい大きかったかを過去の主な地震と比較した。

  • (1)1995年阪神・淡路大震災(JR鷹取)
  • (2)2004年新潟県中越地震(小千谷)
  • (3)2003年宮城県沖地震(大船渡)
  • (4)2011年東日本大震災(栗原)
  • (5)2016年熊本地震(益城)

過去の主要な地震と熊本地震を比較した。1~2秒の値が大きいと建物に及ぼす影響も大きい(資料:境有紀)
過去の主要な地震と熊本地震を比較した。1~2秒の値が大きいと建物に及ぼす影響も大きい(資料:境有紀)
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 分析の結果、4月14日地震は、東日本大震災の約3倍、阪神・淡路大震災の半分程度の揺れを引き起こしたとの見解を示した。

 「同じ震度7でも、建物の被害はかなり違う。実際の被害もこのグラフのイメージ通りだった。阪神大震災で震度7を記録した地域は、建物が軒並み倒壊していた。それに比べると、東日本大震災の栗原地区は、建物の被害は少なかった。この二つの地震の中間くらいの被害だったのが新潟県中越地震で震度6強を記録した小千谷地区だ。熊本地震は、新潟県中越地震と同じくらいの被害と予測している。それを確認するために、現地調査を予定している」(境教授)

 熊本で地震が発生することを予想していたかについても聞いた。「マグニチュード6や7クラスの直下型地震は、日本全国どこで起こってもおかしくない。活断層も把握できているものはごく一部。把握できていない活断層でも地震は起こっている。今回のような直下型地震は、日本全国、どこで起こってもおかしくないと認識すべきだ」と境教授は語る。