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嶋田洋平氏「僕らを見つけてほしい」──サミット開催

「リノベーションまちづくり」の新局面(3)

2017/04/05

「僕らの活動を見つけてほしい」──。まだ“リノベーションまちづくり”を知らない人、しかし、今後の担い手となり得る人に、嶋田洋平氏はそう呼び掛ける。全国30余りの地域に広げ、公民双方を巻き込んできた手応えから来る言葉だ。4月には、先行する実践者の集結するサミットを開催する。(対談は全3回)

清水義次氏(写真左)と嶋田洋平氏(右)。嶋田氏が仲間と設立した北九州家守舎は、第3回まちづくり法人国土交通大臣表彰国土交通大臣賞(2014年、まちづくりの担い手サポート部門)などを受賞し、その実績が認められてきた。しかし、全国のリノベーションスクールで提案された事業プランの実現率に満足しているわけではなく、プログラムなどの改良を続けている(写真:日経アーキテクチュア)

前回から読む)

 2004年と16年に総務省が改善勧告したとおり、国費を投じて支援する中心市街地活性化政策の下でのまちづくりに、効果が現れていない。行政主導の計画づくりや、半官半民の第三セクターによる運営が、なじみにくい分野だった。入れ替わるように、「民間主導、行政支援」を旨に自立して稼ぎ、エリアと共に持続する在り方を志向するリノベーションまちづくりが台頭してきた。

 清水義次氏、嶋田洋平氏は、まちなかに実在する遊休不動産を対象に事業提案するリノベーションスクールを全国に展開してきた中心人物。先行した北九州では全12回で修了者総数976人、取り扱い物件総数85件、うち進行中の案件を除いて21件を事業化に導いている。また同地では14年から「公務員リノベーションコース」を開設し、全5回の実施で行政職員の修了者総数は133人に上る。

●リノベーションまちづくりサミット!!!2017
会期 2017年4月14日(金)~16日(日)
会場 3331 Arts Chiyoda メインギャラリー(東京・外神田)
プログラム詳細は公式サイト を参照。

●対談第1回 建築は「エリアの経営資源」──サミット開催


──今回のリノベーションまちづくりサミットの参加者を、どのようにイメージしていますか?

清水 まずは全国に1700余りある自治体の職員の方々。全自治体に参加してほしいくらいです(笑)

 今、経営の綻びに危機感を持って動き始めている自治体はリアルに課題をつかまえて、その解決に向けてどんどん前に進んでいます。1年目くらいの段階でも、すごく変化が現れている。一方、全く着手していない超クラッシックな自治体もあって、正直なところやばいな、と。どんな格好であれ、早く動き始めてほしいというのが、いちばん思っているところです。

 そのときに、もとは税金であるお金を国からもらってきて、そのリターンも考えずに投資していくような従来型の方法から脱することを、やっぱり覚えたほうがいい。今はパブリックマインドを持つ民間が、かなりの勢いで育ち始めています。その人たちと一緒に都市や地域の経営に取り組んでいってほしい。

 リノベーションまちづくりというのは実は、そうした本来望まれる公民連携の基本スタンスをベースにする活動の総称です。サミットで、その辺りの空気感を知ってもらうのがいいと思います。

さよならリノベーションスクール@北九州の最終日、公開プレゼンテーションの様子。北九州限定だった「公務員リノベーションコース」のプレゼンテーションはラストに置かれている。受講した行政職員が、リレー形式で自らの決意と熱意をアピールする。今回の修了者は25人。修了者総数は133人(写真:日経アーキテクチュア)

──建築家として関わってきた嶋田さんは、どのような思いで企画を進めているのですか?

嶋田 これから建築に関する仕事は、ものすごく変わってくると思います。まだ今のところは大丈夫かもしれませんが、ある建物を設計してくれという従来型の相談事が、そのうちに激減する。設計を続けるにしても、もう少し手前のところから関わって今ある建物をうまく使ったり、必要があればつくったりと仕事の領域を広げたほうがいい。

 あるエリアにどんなビジネスが成り立つのか、不動産事業として考えるときにどんなふうに建築をつくるのか。その辺りに僕ら設計者の業態は相当に無頓着だったと思うんですよ。たくさん建物をつくらないとならない時代に専門特化される格好で確立されてきた職能なので仕方がない。でも、局面が変わって、明らかに変化が求められつつある。

 今後、本当の意味での「まちづくり」という言葉を理解したうえで、広い視野を持って建築の仕事に関わり得る時代になる。そうした可能性を知るのにサミットはいい機会だと思います。

さよならリノベーションスクール@北九州、ユニットワークの途中経過を報告するショートプレゼンの様子。写真は、嶋田氏のほか建築家の馬場正尊氏、大島芳彦氏らによって特別に組まれたユニット。4月のサミットでも、普段はスクールのファシリテーター役となる面々によって組まれたユニットが事業プランを提案する「ユニットマスターたちのリノベーションスクール」(16日)を実施する(写真:日経アーキテクチュア)
さよならリノベーションスクール@北九州、ユニットワークの様子。左写真、ユニットマスターを務めた建築家の宮崎晃吉氏(HAGI STUDIO代表、左端)は今回のサミットでは、「リノベーションまちづくりと新しいツーリズム産業」(14日)に登壇。右写真、やはりユニットマスターを務めた山田高広氏(三河家守舎代表)は、「リノベーションまちづくりと家守会社の役割」(14日)、「公共資産を活用した大きいリノベーションまちづくりと民間資産を活用した小さいリノベーションまちづくりの組み合わせ方」に登壇する(写真:日経アーキテクチュア)

清水 公共建築を手掛ける設計者にも関心を持ってほしいですね。建築の場合は規模の大きな公共投資が行われますから、デザインだけ請ければいいという姿勢でなく、その都市や地域の経営課題の解決と、自分の関わる公共プロジェクトがどういう関係にあるのかを考える必要がある。これまでは公共投資を単目的、敷地主義で行うという悪しき習慣があったわけですけれど、それに乗っかっているままでは、ちょっとまずいということです。

構成・文=山本 恵久日経アーキテクチュア

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