いよいよ省エネ性能表示制度が4月から始まる。第三者認証ラベル「BELS(ベルス)」を使って、建物の省エネ性能のランクを星の数で表示する。

 省エネ性能表示制度は、2015年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、建築物のエネルギー消費性能(省エネ性能)を表示するものだ。

 建築物省エネ法は2017年4月に完全施行が予定されており、それに先立って今年4月1日に一部を施行する。建築物省エネ法7条には、「建築物の販売・賃貸を行う事業者は、その販売または賃貸を行う建築物について、省エネ性能を表示するよう努めなければならない」という旨を規定している。

 BELSは、「建築物の省エネ性能表示のガイドライン」に基づく第三者認証の一つ。住宅性能評価・表示協会が運用している。同じ計算法に則って一次エネルギー消費量を算定し、建物の省エネ性能を5段階の星マークでランク付けする。新築、既存建物の両方を評価・認証できる。これまで非住宅建築物が対象だったが、今年4月から住宅も追加する。

 省エネ性能表示は、国が定める建築物のエネルギー消費性能基準(省エネ基準)を上回る省エネ性能をアピールすることができるので、住宅や建築の実務者の注目が集まっている。消費者にとっても、省エネ性能というモノサシで建物を横並びで比較できるメリットがある。

省エネ性能表示制度で使われる第三者認証ラベルのBELS(ベルス)。住宅性能評価・表示協会が運用する。2つ星(★★)が省エネ基準適合レベルとなる(資料:国土交通省)
省エネ性能表示制度で使われる第三者認証ラベルのBELS(ベルス)。住宅性能評価・表示協会が運用する。2つ星(★★)が省エネ基準適合レベルとなる(資料:国土交通省)
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 2016年2月26日、国土交通省・野村総合研究所主催の「住宅の省エネ性能表示制度に関するシンポジウム」がすまい・るホール(東京都文京区)で開催された。ここでは、「住宅の省エネラベルの今後の展望について」と題されたパネルディスカッションの模様をリポートする。省エネラベルで表示されるべき内容と、表示制度をどのように普及させるかという2点について、パネラーの議論が白熱した。