建材3 高性能化する断熱部材は
施工性なども追求

 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)など高断熱住宅への注目度が高まるに伴い、断熱材などの性能アップや施工性向上も近年、目に付く動きだ。

 アキレスの硬質ウレタンフォーム断熱材「ZI(ジーワン)ボード」は、一般的な建築用断熱材の中で高水準といえる熱伝導率0.018W/m・Kを実現した製品。同じ壁厚でより高い断熱性能を達成できる。

〔写真8〕熱伝導率は0.018W/m・K
〔写真8〕熱伝導率は0.018W/m・K
高性能硬質ウレタンフォームによって熱伝導率0.018W/m・Kを実現。さらに、表面にアルミ箔面材を張り、遮熱性能も高めた(写真:アキレス)
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 製品寸法は厚さ20mmから50mmまで、5mmピッチで用意。表面にアルミ箔を張っており、夏期の遮熱効果も期待できる。設計価格の目安は三六判の50mm厚が1枚8500円(税別)。

 旭ファイバーグラスのボード系グラスウール断熱材「リフォエコVIP」は、内部に熱伝導率0.004W/m・Kの真空断熱材を内蔵。主にリフォーム用途を想定した製品で、ベースとした同社の「リフォエコ」(熱伝導率0.041W/m・K)の断熱性能を大幅に向上させた。

 実験値では、木造住宅で外気温がマイナス2.5~マイナス1℃、室内温度を23℃の場合、「リフォエコVIP(ビップ)」を施工した壁の室内側表面温度は、施工しない壁に比べて約3.5℃上がったという。

 施工は、既存の壁の室内側にビスや接着剤などで張り付けるだけ。目地をパテ処理して、その上を内装材で仕上げる。壁を壊すことなく施工できるので、短工期で仕上げることができるとともに、部屋単位での改修も容易だ。設計価格の目安は1m2で3万2600円(税別、工費別)。

玄関用ドアや屋根も進化する

 YKK APの防火ドア「InnoBest(イノベスト) D50」は高性能断熱パネルを採用。厚さ70mmの玄関用ドアで、枠部分はアルミ形材断熱構造、採光用のガラス部分には網入りトリプルガラスを用いている〔図7〕。熱貫流率1.81W/m2・Kの断熱性能とともに、「玄関を明るくしたい」というニーズからガラス面積を従来製品の3倍に広げた。参考価格はスマートコントロールキー付きの仕様で62万円(税別、工費別)など。

〔図7〕採光と高い断熱性を両立
〔図7〕採光と高い断熱性を両立
「InnoBest D50 防火ドア」の断面。高性能断熱パネルを使うほか、枠はアルミ形材断熱構造で熱貫流率1.81W/m2Kを実現している。ガラス部は網入りトリプルガラス(写真:YKK AP)
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 東邦レオの「レオフィットルーフ外断熱工法」は、くぎやビスを使用しないで施工できる金属屋根用の外断熱システムだ。

 両面に防湿面材を備える硬質イソシアヌレートフォームボードを断熱材用接着材で躯体屋根面に接着。その上に脱気用クラフトテープ、防水シート、金属屋根材を接着剤などで面固定する。部材の納まり上、一般的な施工方法に比べて断熱欠損が生じにくく、防水性や耐風圧性の向上も見込める。曲面に対する追従性も高いので、屋根デザインの自由度を高める効果も期待できる。価格目安は1m2当たり1万9500円(税別、材工費は一部別途)から。

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