建材2 開口部材では断熱性向上とともに
“値頃感”もアピール
建築物の断熱性能で、ウイークポイントとなる部位の代表格が窓だ。サッシやガラスの性能は近年、著しい向上を見せている。その一方、省エネ改修などを前提に、既存部材の当初性能を補う部材も、バリエーションが増えている。
旭硝子の内窓「まどまどplus(プラス)」は、アルミ樹脂複合フレームを使った「まどまど」シリーズの上位モデル。断熱や防音など採用者が重視する窓性能に合わせて、装着するガラスを同社製品の中から選ぶことができる〔図5〕。
例えば、断熱性向上を図るなら同社のLow-E複層ガラス「サンバランス Eシリーズ」を選択。この場合に窓の断熱性能は、JISが定める国内最高クラスの「H-6等級」を実現する。ほかにも、防音性向上を図る場合は複層ガラス「マイミュート」を選べるなど、求める性能に応じて選択が可能だ。設計価格の目安は、幅1800×高さ2000mmのサイズでLow-E複層ガラス「サンバラス Eシリーズ」を選択した場合、13万1300円(税別)だ。
供給形態の見直しで低価格化
YKK APの「エピソードNEO(ネオ)」は、一般的なアルミ複層ガラス窓並みの価格水準を実現したアルミ樹脂複合窓。室外側がアルミ、室内側が樹脂の複合構造だ。
Low-E複層ガラスを使用した場合の熱貫流率は2.33W/m2・K、通常の複層ガラスを使用すると3.49W/m2・Kとなる。高性能複合ガラスへの取り替えをしやすくする狙いから生まれた製品だ〔写真7〕。
価格の目安は、幅1690×高さ1170mmの引き違い窓タイプで3万6000円(税別)。ガラス代や組み立て・搬入費などを除いた金額だ。
同社はもともと、アルミ樹脂複合窓を自社工場で一貫生産してきた。その一方でアルミ窓は従来、地域の建材流通店(いわゆる「○○硝子店」など)が組み立てて、建築現場に搬入するノックダウン方式の供給形態が一般的だった。
「エピソードNEO」は、従来よりも組み立てやすさなどを向上することで、建材流通店が、使用するガラスを選んだうえでアルミ窓と同様に扱えるようにした。供給形態の見直しに加えて、生産ラインの合理化なども含めて低価格化した。
日射の熱線(近赤外線)を上方向に反射するユニークな機能を備えた窓用透明遮熱フィルムが、デクセリアルズの「アルビードIRAVK700」だ。フィルム内部の「熱線選択反射膜」がその機能を発揮する〔図6〕。
一般的な遮熱フィルムと同じく日射による室内温度の上昇を抑制するとともに、熱線反射による建物周辺の敷地面や道路面の温度上昇も抑えることが、この製品の狙いだ。