建材1 日射など自然条件を生かして
省エネ性能の向上を図る
建築物の一次エネルギー消費量を抑制するうえで、日射や通風をコントロールする建築部材への注目度がますます高まっている。
エービーシー商会の「ライシェル」は、自然光を反射させて室内の奥に取り込む機能を備えた庇だ。主に、上部に採光用の窓を備えた開口部での使用を想定した製品で、採光窓の直下に取り付ける〔写真5〕。
日射角度が小さい冬場は、上面に反射した光が採光窓から室内を入り、自然光による室内照度を上げる。日射角度が大きい夏場は、下部の開口部に入る直射光を遮る。年間を通して、照明や冷房によるエネルギー消費量の抑制に貢献することを期待した製品だ〔図4〕。
アルミニウム製の本体は上面に光沢研磨処理を施しており、その断面は緩いS字型。開発試験を踏まえて、上面の反射性能が最適になる形状として採用した。
「ライシェル」のような機能を持つ庇は、一般に「ライトシェルフ」と呼ばれる部材で、以前からあった。だが多くのライトシェルフは、設置する建築物の立地や日射角度といった条件に合わせて、形状や取り付け角度を個別に調整する必要がある。
これに対して「ライシェル」は形状などの工夫で、条件を問わずに、開口部の所定の位置に取り付けるだけで性能を発揮する。設計価格の目安は、幅600mmのタイプで1m当たり13万5800円(税別)だ。
リモコンでルーバー角度を調整
YKK APの外付けブラインド「X-BLIND(エクスブラインド)」は、取り付け窓から入る日射熱を最大85%カットできる(ルーバーの角度が90度の場合)。ルーバーの開閉は、室内からリモコンで調整できる〔写真6〕。
室外側で日射を遮るので、開口部のガラス自体に伝わる熱を抑えることができる。それによって、夏場の室内の冷房効率を高める効果を見込める建材だ。
新築・改修それぞれに取り付け用の枠部材をセットに販売している。小売り価格の目安は、シャッター幅1631×高さ2295mmの新築用で41万8000円(税別、工費別)だ。