設備2 LED照明は“弱点”の改良や
新たな用途開拓が活発に

 既に広く普及しているLED(発光ダイオード)照明は、光の方向性など、かつては“弱点”といわれた光源特性を改良してニーズを広げるなど、開発がますます活発化している。

 例えばパナソニックの一体型LEDベースライト「スクエアシリーズ・スクエア光源タイプ」は、均一な光の広がりを実現した天井設置用の製品だ。

 LED照明の光は方向性があるので、発光部の形状によっては、光の拡散範囲が、同等の明るさの既存光源に比べて狭くなる。そのため、空間に明暗のムラが生じやすい。

 「スクエアシリーズ」は、面全体が発光する光源ユニットを搭載。天井などに据え付ける本体と、本体にセットするスクエア型光源ユニットからなる〔写真3〕。従来の天井設置用LED照明器具に比べて、空間全体をより均一に照らし出すことができる。

〔写真3〕面発光で均一な光の広がり
〔写真3〕面発光で均一な光の広がり
スクエアタイプの光源ユニットを採用したことで面発光を実現。水平方向、垂直方向ともに光源の方向性がなく光の広がりを均一にできた。光源ユニットのサイズを共通化し、各種サイズの器具本体と、明るさタイプ・光色を自由に選んで組み合わせることができる(写真:2点ともパナソニック)
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 本体はサイズなどの違いで6タイプ、光源ユニットは明るさで6タイプ、光の色で4タイプをそれぞれ用意。光源ユニットの寸法は統一しており、ニーズに合わせて自由に組み合わせることができる〔図3〕。

〔図3〕多様なバリエーションを実現
〔図3〕多様なバリエーションを実現
明るさを維持したままサイズダウンして天井面をすっきりさせることや、同じサイズで省エネ効果が高いものを選ぶなど、目的に合わせた組み合わせが可能だ(資料:パナソニック)
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 消費電力は、明るさが同等の蛍光灯器具に比べて約58%少ない。同社の試算では、トータルコストは約1.9年で蛍光灯器具と同じになるという。価格の目安は、本体と光源ユニット1セット当たり3万2800~6万6500円(税別)。主に店舗やオフィスでの採用を期待している。

室内ガーデニング用も

 空間照明と少し異なる用途に向けた製品開発も活発だ〔写真4〕。

〔写真4〕用途広がるLED
〔写真4〕用途広がるLED
左はLuciの「OCEANOS」。床や通路面などに埋め込んで設置し、誘導灯や安全灯として利用できる。右はタカショーの「GROW LIGHT」。植物育成用に適した光を簡易的に照射でき、室内でガーデニングを楽しめる(写真:それぞれLuci、タカショー)
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 Luci(ルーチ)の「OCEANOS(オセアノス)」は、床面や通路面などに埋め込んで設置できるLED照明器具だ(写真4の左側)。誘導灯や安全灯といった行き先ガイド用として、空港や駅、公園、通路、宿泊施設、地下駐車場などでの採用を見込んでいる。

 「OCEANOS」は、ポリウレタン製本体の発光部とステンレス製の取り付けフレームで構成。国際規格に準拠して日本工業規格(JIS)が定めた「IP67」「IP68」(いずれも防塵・防水保護等級)や、「IK10」(同じく耐衝撃性等級)などを取得している。本体は長さ510mmと1010mmの2タイプがあり、末端部まで発光するので連続設置すると切れ目のない光のラインができる。同社によると製品寿命は3万~6万時間だ。

 LED照明は植物栽培用の光源としても活用されているが、室内ガーデニングなどでニーズ拡大を狙う開発例もある。タカショーの「GROW LIGHT」がその例だ(写真4の右側)。価格の目安は長さ27cmのタイプが1万1000円、57cmが1万4000円(いずれも税別)など。