大規模火災が国内外で相次いでいる。直近では英国・ロンドン市で現地時間6月14日未明に発生した高層住宅の火災。炎が外壁のほぼ全体を覆った様子は、日本の多くの建築・防災関係者にとって“常識”を超える光景だった。国内でも埼玉県三芳町で2月16日、オフィス用品販売大手のアスクルが運営する大型物流倉庫で出火。鎮火までに12日間を要した。これらの火災に共通点はあるのか、防火に関する既存の考え方に死角はないか──。防火対策の専門家などに話を聞き、炎の死角から命を守るための建築的視点を探った。
目次
- ▼「外壁火災」という想定外
部材選定と組み合わせのワナ - 避難計画の死角を探る
法定水準だけで十分か - ▼識者が語るロンドン火災の要点
「対岸の火事」とは言い切れない - ▼アスクル火災の本質とは?
想定超える使われ方に盲点