2017年調査で分野を新設した室内ドア。家づくりのプロたちの評価は、各社の特徴と合致した。調査した33分野の中から、室内ドアの評価を分析した。評価項目の中でも特に特徴が表れた、機能性、デザイン、コストの3点に絞って解析する。

 新設した住宅用室内ドアの分野で調査対象とした企業は17社に上る。ここでは、ランキングの指標となる評価ポイント数(採用経験の有無にかかわらず、「今後採用したい」と回答した人から得た評価)で45以上の評価を得た上位4社について傾向を分析した(ランキング10位以内の結果は、こちらを参照)。

 室内ドアで、家づくりのプロが最も採用したいと評価したメーカーはLIXILだった。その理由を尋ねたところ、「コスト」と「デザイン」を評価した回答者の割合が共に54.3%を占めた〔図1〕。デザイン性とコストパフォーマンスが高い製品が高評価を引き出したようだ。

〔図1〕写真はインダストリアルデザインで人気を集めた「ヴィンティア」。経年劣化したような塗装処理やハンドルの形状などにこだわりながらも、コストを従来シリーズと同等に抑えた(写真:LIXIL)
〔図1〕写真はインダストリアルデザインで人気を集めた「ヴィンティア」。経年劣化したような塗装処理やハンドルの形状などにこだわりながらも、コストを従来シリーズと同等に抑えた(写真:LIXIL)
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 一般消費者の声を取り入れて開発し、最近人気を集めているヴィンティアはそうした評価を裏付ける商品の1つだ。同製品は2017年4月3日に発売した建具で、インダストリアルデザインを特徴とする。手塗りのむらの表現や経年劣化したような塗装仕上げのほか、大正や昭和時代の建具のような球状のハンドル「握り玉」をオプションで選べるようにするなど、意匠にこだわった。

 意匠性が高い製品は価格も高くなりがちだが、従来の人気シリーズ「ファミリーライン パレット」と同等の価格に抑えた。シンプルな標準ドアの場合で、5万7000円からだ。