約1000万頭──。国内でペットとして飼育されている犬と猫、それぞれの数だ。2016年に飼育されている犬は12年比で14%ほど減り、猫は約1%増加した。犬や猫を飼育する世帯数は、犬で790万、猫で554万に達している〔図1〕。
ここ5年ほどの飼育頭数の変化は犬と猫で異なる。だが、その飼い方は同じような傾向を示している。室内飼いが増えているのだ。「室内のみ」または「散歩・外出時以外は室内」という室内中心で飼育する飼い主の割合を16年と12年で比べたところ、犬は7ポイント、猫は2.6ポイント、それぞれ増加した〔図2〕。
大半の時間を飼い主と室内で過ごす飼育スタイルが幅を利かすなかで、犬・猫と人間との関係にも変化が生まれつつある。犬や猫が、「ペット」から生活をともにする「家族の一員」へと変貌しているのだ。
その結果、人とペットの双方が心地よく過ごせるような住環境が求められるようになり、「ペット配慮型」の住宅の建設や改修へのニーズが高まっている。