緑化や防災面で地域貢献
銀座は高さ制限が障壁となり、建て替えや、街の機能更新が進みにくい街だった。「中央区まちづくり基本条例」では、大規模な開発計画に、環境や防災などの対策を求めた。
同区都市整備部地域整備課の菅沼雅広課長は、「東日本大震災の発生時、銀座では百貨店が多くの帰宅困難者を受け入れた。ギンザシックスにも、自助はもちろん、共助や公助の取り組みまで期待した」と話す。
ギンザシックスでは、屋上庭園を設けて約2200m2の緑地を創出。地震発生時には、地震の影響を受けづらい地下に配置した観世能楽堂や控え室などを開放したり、オフィスや商業エリアの共用部を使うことで、約3000人の帰宅困難者の受け入れを可能とした。
今後は、地下鉄の銀座駅と地下2階を結ぶ地下道を整備し、新しい街の回遊性も生み出す計画だ。地下道は17年中の開通を目指す。
[日経アーキテクチュア 2017年5月25日号掲載]