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特集1 公共空間が変わる

異なる公共施設を街のように斜路で一体化

太田市美術館・図書館

2017/12/08

学生向け特別版「建築の鼓動&土木のチカラ2019」は1冊丸ごとPDFでもお読みいただけます。雑誌と同じレイアウトで、迫力ある見開きの写真をそのままに。 [PDFをダウンロード(116ページ、約57MB)

スロープでつながった内部空間に、図書館や美術館、カフェなどが混在する複合施設が完成した。様々な要素が交じり合った1つの街のような空間で、衰退が進む駅前の再生を目指す。施設内を巡るスロープは鉄骨造で、鉄筋コンクリート造の5つのボックスと構造を一体化させた。

5つの箱をスロープで一体化
北西からの見下ろし。離れて立つ5つのコンクリートの箱を、鉄骨造のスロープやテラスが様々なレベルでつなぎ、緑化した屋上広場まで続く。建物の向こうが、東武伊勢崎線の太田駅(写真:吉田 誠)
1階のエントランス付近から見る内観。鉄筋コンクリート造のボックスの間を縫うように、合成スラブのデッキプレートを現しにしたスロープが巡る。ひとつながりの開放的な空間に、美術館や図書館、カフェ、ショップなどが混在する形で配置されている(写真:吉田 誠)

 群馬県太田市が整備を進めてきた美術館・図書館が、2017年4月1日にグランドオープンを迎えた。

 「前例のない手探りの事業だったが、行政がつくる複合施設の新しい形を示すことができたと思う」。そう話すのは、建設を担当してきた太田市文化スポーツ部文化スポーツ総務課の富島公則課長補佐。その言葉の通り、従来の美術館や図書館とは大きくイメージが異なる。

 東武伊勢崎線太田駅前に立つ建物には、カフェやショップが入り、テラスや屋上庭園もある。美術館や図書館と言うよりも、駅前の商業施設のような雰囲気だ。

 地上3階建ての建物は、大小5つの鉄筋コンクリート造のボックスに、鉄骨造のスロープやテラスを絡ませて一体化した構成。内部は、ボックスとスロープがつながった開放的な空間で、そこに美術館や図書館の各スペースが入り交じって配置されている。通路であるスロープ沿いに書棚があったり、美術館の展示室が点在していたりする。図書館の本は、カフェやテラス、屋上など、建物のどこに持ち出しても構わない。

 「建物自体を、1つの街のようにつくろうと考えて、周辺の建物に近いスケールのボックスをスロープでつなぐ構成を提案した。気軽に立ち寄って、スロープというストリートを歩きまわると、いろいろな過ごし方を見いだせるような場所を目指した」。14年に太田市が実施したプロポーザルで選定され、設計を手掛けた平田晃久建築設計事務所(東京都港区)主宰の平田晃久氏はそう話す。

境界のない開放的な内部空間
2階にある図書館のアートブックコーナーからの見通し。コンクリートのボックスとスロープとを一体的に捉えてプランニングしてあり、歩いていくといろいろな場が現れる(写真:吉田 誠)

松浦 隆幸=ライター日経アーキテクチュア

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