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業界研究 建築編

人口減社会で仕事に広がり

10分で分かる建設の仕事

2017/12/08

学生向け特別版「建築の鼓動&土木のチカラ2019」は1冊丸ごとPDFでもお読みいただけます。雑誌と同じレイアウトで、迫力ある見開きの写真をそのままに。 [PDFをダウンロード(116ページ、約57MB)

建築の仕事は企画、設計、施工などに分かれ、会社の業種・業態や規模に応じて仕事内容は様々だ。例えば学生に人気の設計事務所も、組織事務所とアトリエ系事務所では仕事の進め方や社風が大きく異なる。今、人口減少や空き家の増加という時代の転換期を迎えて、建築の仕事の領域は多彩な広がりを見せ始めている。

建築関連の主な仕事と就職先

 建築の仕事は、土地とクライアント(発注者)があって始まる。個人住宅や公共施設など一部の使い道を除き、土地はビジネスを展開する舞台だ。どのように使えば最も収益性の高いビジネスが可能なのか。その事業スキームを練り上げるところからプロジェクトはスタートする。建築というと、とかく「設計」に関心が集まりがちだが、そのはるか以前からプロジェクトは始まっていることになる。

 プロジェクトの最上流に当たる「調査・企画・計画」の仕事は、市場調査や資金計画、資産運用といった経営的要素が強いので、もっぱらシンクタンクやデベロッパーが手掛ける。デベロッパーにも不動産系や商社系などの種類があるほか、デベロッパー部門を社内に持つハウスメーカーもある。

 都市再生のような大規模開発では、長い時間をかけて綿密に計画を練り、様々な法制度上の折衝や調整も必要なので、デベロッパーに加えて設計事務所や建設会社も参画したプロジェクトチームを早い段階から組み、計画を詰めていく。

 一方、中小規模の開発や、既存建物のリノベーションなどは、もう少し規模の小さい建築プロデュース会社などが、企画・計画を手掛けることが多い。

 事業計画を受けて着手するのが「設計」だ。設計を手掛ける会社には、総合建設会社(ゼネコン)や設計事務所、工務店などがある。

 総合建設会社が持つ設計部門は、意匠から構造、環境・設備までがそろう。設計するのは、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の大規模建築や都市開発プロジェクトで、基本的には自社施工を前提とする。いわゆる設計・施工一括のプロジェクトだ。そのため、施工部門も加えたプロジェクトチームで設計を進めることも少なくない。また、自社の技術研究所などで開発した材料や技術、工法を、設計に織り込むことも多い。

 設計・施工の両部門を備える総合建設会社に対して、設計に特化しているのが設計事務所だ。その分類として、「組織設計事務所」と「アトリエ系設計事務所」という分け方がよく使われる。

 組織設計事務所は、意匠から構造、環境・設備までの各設計部門を備えるほか、都市計画コンサルティングなどの部門も持つ。都心の大型ビルに本社を構えて、整然としたオフィスには“会社”の雰囲気が漂う。大手になると、国内各地や海外に支店も持つ。設計するプロジェクトは、企業や官公庁をクライアントとする大規模建築や、都市開発プロジェクトなどが中心だ。戸建て木造住宅のような小規模建築を設計することはまずない。

アトリエ系は将来の独立が前提

 一方のアトリエ系設計事務所のテリトリーは、戸建て住宅や中小規模の集合住宅、店舗などの中小建築だ。インテリアや家具、あるいはプロダクツのデザインを手掛ける事務所もある。

 アトリエ系の最大の特徴は、経営者である“建築家”の個性的な作風や活動を前面に打ち出している点。メディアがその“作品”を常に注目し、多くの若手設計者が“門下”に入りたがる著名建築家もいるが、絶対数からすればごく少数だ。アトリエ系の場合、長く会社にとどまるスタッフはわずかで、独立を前提とした“修行”の場としてその門をくぐる。

 最近のアトリエ系の活動では、単体のプロジェクトの枠を越えて、まちづくりや地域活性化といったソフト面にも積極的に参画しているケースも目立つ。また、アトリエ系事務所は意匠系ばかりではなく、構造系、環境・設備系の事務所もある。意匠、構造、環境・設備の各アトリエ系が組んで一つのプロジェクトを設計していくケースが多い。

地域性を打ち出す工務店

 「施工」を手掛ける会社は、総合建設会社から、地域の中小建設会社、工務店まで大小様々だ。総合建設会社の施工は、前述のように大規模プロジェクトが中心。工務店は、車で通える地域内の戸建て住宅や店舗などが多い。

 工務店は、小さな総合建設会社のようなもので、設計事務所が設計した建物を施工することもあるが、社内で設計・施工するのが基本だ。総合建設会社との大きな違いは、地元密着型で活動する点にある。地域性をくんだ家づくりやまちづくりなどに積極的に取り組む工務店が、最近、増えてきている。

 ところで、建築は実に多くのパーツの総合体だ。パーツをつくる建材・設備メーカーなくして、設計や施工はあり得ない。事実、設計や施工の過程で、各メーカーが製品を取り付ける部位の図面を描いて提供することは珍しくない。つまり、各メーカーにも製品を設計したり、施工したりする仕事がある。建築とは、そうした様々な業種の人たちのコラボレーションによる果実なのである。

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松浦 隆幸=ライター日経アーキテクチュア

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