「東急東横線渋谷駅」「表参道ヒルズ」へ

 山手線を降り、「渋谷ダンジョン」(渋谷駅を舞台にした冒険ゲーム)の一部を担う「東急東横線渋谷駅」を目指す。

「東急東横線渋谷駅」。天井のカーブした部分は当初、コンクリート打ち放しも検討されたという。それも見てみたかった(写真:細谷 陽二郎)
「東急東横線渋谷駅」。天井のカーブした部分は当初、コンクリート打ち放しも検討されたという。それも見てみたかった(写真:細谷 陽二郎)
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 普段遣いしすぎていて、改めて評価するのもなんだか照れくさいこの場所。けれども、思えばいつもこの「タマゴ形シェル」で、異世界への入り口を行き来するような楽しい気分を味わわせてもらっている。

 で、スタンプどこ?と、ぐるぐると卵の周囲をまわっていると「渋谷ヒカリエ」の地下入り口近くで発見。台紙が埋まっていく喜びをひしひしと感じながら5つ目を押す。

 東京メトロ半蔵門線で「表参道ヒルズ」に向かう。渋谷ダンジョンで探検しすぎて酸素が足りない。すぐさま表参道駅から地上へ出てイチョウ並木のメーンストリートを歩く。

 観光客が日に日に増えているようだ。土日は車道と歩道を逆転させた方がいいんじゃないか?と、脇の手すりに座るキラキラ女子たちが手にしているアイスクリームを見ながら、適当なことを考えていたら「都市型複合住宅」の先駆け・同潤会アパート(一部復元)が見えた。

表参道ヒルズの一部、「同潤館ギャラリー」。壁面に絡まるツタがよく似合っている(写真:日経アーキテクチュア)
表参道ヒルズの一部、「同潤館ギャラリー」。壁面に絡まるツタがよく似合っている(写真:日経アーキテクチュア)

 ヒルズ内の「傾斜スロープ」を歩くのもいいけれど、今回のスタンプの在りかは大体想像つくし、とタカをくくって正面エントランスで見渡すも、ない。

 受付のお姉さんに尋ねると「こちらです」と美しい手が示した先にあった6つ目。「押しましょうか?」とこれまでにない優しい言葉を掛けられ、なんだか泣きそうになる。

 ハードな「挑戦」の旅だ。そろそろ限界がきているのかもしれない。「表参道ヒルズ」のおもてなしに勇気付けられ、目指すはラストを飾る地・六本木エリアだ。