仙川「東京アートミュージアム」へ

「東京アートミュージアム」を道の向かい側からのぞむ。隣にある劇場・保育園などを兼ねた複合施設も安藤氏による設計(写真:日経アーキテクチュア)
「東京アートミュージアム」を道の向かい側からのぞむ。隣にある劇場・保育園などを兼ねた複合施設も安藤氏による設計(写真:日経アーキテクチュア)
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 さわやかな秋晴れの日曜日。天は私の味方についた。次なるステージ「東京アートミュージアム」は、私の家からそう遠くない場所にある。

 開館時間5分前に到着し、外観を観察しながら待つ。よし、無駄のない動きだ。この「挑戦」では数分のロスが命取りになる。ここは通称「安藤ストリート」。典型的な「郊外」の住宅地にあって、彫刻のような美術館が浮いていないのは、周囲もANDO建築でかためているせいだろうか。

 中に入ると、エントランスからすでに静ひつな雰囲気が漂っている。すぐに見つかったスタンプ台で2つ目をしっかり押した。

外観からは想像がつかないナチュラルな明るさ。現在開催中の展示が建物とおそろしくマッチしている(写真:日経アーキテクチュア)
外観からは想像がつかないナチュラルな明るさ。現在開催中の展示が建物とおそろしくマッチしている(写真:日経アーキテクチュア)
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 先へ進むと、8mはあろうかという吹き抜け空間。続いて、スリット開口部から差し込む「光」と、その効果を受けてまばゆく光る「コンクリート」双方による、淡い光の応酬を全身に浴びる。

 それだけじゃない、見上げれば私の大好きな「階段」が天国へと伸びている(イメージ)。こぢんまりとしたスケールだからこその密度。中2階まで、その上、と「ひとつなぎ空間」をそろそろと階段で移動する気分はまるで猫。中2階のスリットから見える街路樹を眺めていたら時間を忘れそうになって…いる場合じゃない。先を急ごう。